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コロナ5類に移行した2023年はコスメの購入が増加


桃谷順天館(本社大阪府大阪市)はコロナ禍の3年を経て、人々の行動が大きく変化した2023年末に、首都圏在住の20〜50歳代の女性を対象に、「あなたの美容行動は変わりましたか?」というアンケート調査を行い、その結果を公表しています。調査は首都圏(1都7県:東京都、千葉県、茨城県、埼玉県、神奈川県、栃木県、群馬県、山梨県)在住の女性960名(内訳:20代240名、30代240名、40代240名、50代240名)にインターネットで行われています。尚、本調査は既婚・未婚、子供の有・無に関わらず、女性を対象として行われています。

質問1で、「コロナ感染症が第5類となった2023年と2020年〜2022年の3年間を比較し、日々の買い物や一生物になるような大きな買い物、また外食や旅行、レジャー、教育などへの消費行動に変化はありましたか?」(回答は1つのみ)と尋ねています。その結果、「ほぼ同じ(35.7%・343名)」と回答した人が最も多く、「消費が大いに増えた」、「消費がやや増えた」(34.5%・331名)」という結果となっています。(グラフ1)

グラフ1

2番目の質問では「2023年を2022年(第2類時)と比較して、コスメの購入は増えましたか?」(回答は1つのみ)と聞いていますが、「ほぼ同じ(46.7%・448名)」と回答する人が最も多く、「やや減った」、「大幅に減った」(合わせて22.6%・217名)、「大いに増えた」、「やや増えた」(合わせて20.1%・193名)」という結果です。
減ったと回答した人が、増えたと回答した人よりも多かった理由として、コロナが5類に変わった2023年は、行動の幅が広がり、コロナ禍では実現できなかったレジャーや旅行などへの出費が増えた結果とも考えられます。(グラフ2)

グラフ2

また、先の2番目の質問で「大いに増えた」、「やや増えた」と回答した193名に、コスメの購入金額を比較してどの程度増えたかも聞いています(回答は1つのみ)。
その結果、半数の97名(50.3%)が「購入金額は1.5倍になった」と回答しています。(グラフ3)

グラフ3

3番目の質問では、全員に「コロナが5類になった2023年に、久しぶりに購入したメイクアイテムはありますか?」(複数回答)と聞いています。その回答では、1位が「口紅」、次に「ファンデーション類」、「アイシャドウ」と続いています。(グラフ4)

グラフ4

最後に質問3で聞いたコスメを購入したきっかけを1つのみ聞いていますが、その回答では、「マスクを外すようになり、メイクをしっかりするようになったから」、「外出する機会が増えたから」という結果が多く、その他の自由回答では、「コロナに関係なく自分の美意識の変化」、「買い替えたくなった」、「コロナ禍前に買い溜めしてあった物を消費したので」といった回答もみられました。(グラフ5)

グラフ5

医療技術が進歩し、人々の健康意識が高まる21世紀において発生した、未曽有のパンデミック「新型コロナウイルス感染症」。レジャーやイベントはもとより、飲食店の営業も制限され、我慢を重ねた3年間を経て、日常生活を取り戻した2023年ですが、そんな中、女性たちの美容行動はどうだったかを、化粧品会社目線で同社が調査した今回のアンケートはとても有意義といえます。調査からは、低迷する消費傾向とはうらはらに、半数以上の人が化粧品の購入額が増えたと回答し、その中の半数以上が1.5倍以上増えたと回答しています。また、しばらくぶりに購入したアイテムとしては、「口紅」がトップで、脱マスクとなった2023年を象徴しています。化粧品は肌や表情を美しく見せるだけでなく、精神的なやすらぎ、安心感、幸福感をもたらす、といった心理的な機能も持ち合わせています。

執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子


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