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2035年の外食市場

カフェ

富士経済が、値上げなどにより市場が拡大する一方、店舗数の減少が続いている外食産業についての長期予測結果を発表しました。

外食市場の中では、値ごろ感のあるカテゴリーとして日常的な食事需要を獲得しているファーストフード店は、需要の裾野を広げるためにドリンクやコーヒーへ注力し、カフェ利用客の獲得を進めていることから、市場拡大が続くと予想されます。インバウンド需要の恩恵を受けている業態や新規出店の余地を残す業態もあることから、当面は客数が増加していくと予測しています。

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主な業態別では、ハンバーガーはイートインやテイクアウトなど提供形態や時間帯を問わず突出した集客力があり、価格優位性や競争力を武器にカフェ需要の獲得に乗り出していることから客数が増えています。
回転ずしは喫食シーンがプチハレと日常食の2軸という強みがあり、好調が続いていますがドリンクの比率が低いため、食材高騰の影響を受けやすいことが懸念点でもあり、コストが上昇するなかで商品開発力が高いチェーンが残るとみられます。
牛丼は複合店舗の増加により、新たな需要・ユーザー開拓に成功しているほか、コスパのよさが強みとなっています。しかし、牛丼一杯の価格に対する消費者のアンテナは敏感であり、今後も値ごろ感の維持が必要とみられると思われます。
ラーメンは都心部におけるインバウンド需要に加え、上位チェーンが郊外・ロードサイド店で休日の家族での食事需要を獲得するなど裾野を広げており、客数増につながっています。しかし、店舗間の競争は激しく、値上げ以外でのコスト上昇への対応が難しい個人店は淘汰が進んでいき、人気店に客足が集中していくことが予想されます。

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居酒屋などのアルコールをメインに提供する店舗の市場は、大打撃を受けたコロナ禍を経て、2022年以降拡大を続けています。しかし、酒離れもあり一回の来店における飲用杯数が減少しています。そのため、居心地の良さといった空間価値の高いカフェや、料理の独自性の高い多国籍料理専門店、食事メニューの単価が低いファストフード店など、ほかのカテゴリーでのちょい飲みへ需要がシフトしている様子が見られます。特に、若い人たちの需要が減少しており、また、利用方法も都度集まった流れで近場の店舗へという突発的なものから、少人数で事前に気になる店舗をチェックし予約した上で来店するといった計画的なものへと変化しています。アルコールをフックとした販促キャンペーンは、新たな需要に結びつかないことも多く、アルコール以外で、いかに若い人たちの需要を取り込めるかがカギとなっており、ノンアルコールメニューや食事メニューの強化を進めていくとみられます。

現状、食材の高騰もあり、客単価は上昇しているものの、酒離れからアルコールによる利益を得にくくなるため、フードとドリンク双方で価格戦略が必要となっています。メニュー全般の価格を引き上げた店舗より、酒やドリンク価格のみを引き上げた店舗、もしくは料理に専門性があり差別化できている店舗は好調なケースも多く、今後は明確に何を食べにいくかという来店の動機付けが必要になっていくと予測しています。

執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子

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