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遺伝子を超え老化を解決する「エピジェネティクス」 肌の未来を変える時代の到来


遺伝子は「人が生まれながらに持つ先天的情報」であるものの、その働きは、環境や食べ物など 「後天的なもの」で常に変化している。
このような研究を後天的遺伝子学「エピジェネティクス」と呼び、今世界中の美容界がこぞってエピジェネティクスを応用したコスメの開発に取り組んでいる

なぜヒトは老いるのかを追求する「エピジェネティクス」

私たちのすべてはDNAの情報(遺伝子)を元に作られており、DNAは体の設計図とも言われている。DNAは祖先から綿々と受け継がれ、このことを「遺伝」と呼んでいる。
「遺伝だからしょうがない」と良く口にするが、本当にそうなのだろうか?同じ遺伝子を持つ一卵性双生児にも関わらず、個性が違うのはなぜなのか。その疑問を解くカギが「エピジェネティクス」である。

2000年初頭にはじまったエピジェネティクス研究は「後天的遺伝子学」と言われ、遺伝子は変わらないが周囲の環境によって遺伝子の使い方が決まるのを研究する学問だ。
つまり、親から子に受け継がれる特性はDNAだけで決まるわけではないのだ。例えば、本来なら様々な疾患を抑制する遺伝子が備わっているはずなのに、その遺伝子のスイッチがオフになることで正常な細胞が劣化してしまう。

これがエピジェネティクスで明らかになった生活習慣病などの発症のメカニズムである。エピジェネティクスの研究は疾患だけではなく「なぜ、ヒトは老いるのか」も解明されつつある。
エピジェネティクスの研究が進むことで、私たちは「老い」を止められるのかもしれない。遺伝子を超えたエイジングケアの可能性。それがエピジェネティクスなのだ。

若返り遺伝子のスイッチをオンして老化遺伝子をオフにする


エピジェネティクスで分かったことの一つは、遺伝子は常に100%稼働しているわけではないということ。例えば、体内が異常事態になれば戦闘系遺伝子がオンになり闘いが始まる。
戦闘が終わると、今度は傷ついた細胞を修復するべく再生に関わる遺伝子にスイッチが入る。

このように、遺伝子には「スイッチ」があり、その人の置かれた環境や食べ物によってそのスイッチは「オン」にもなれば「オフ」にもなる。

例えば、肌の老化における遺伝子的な影響はおよそ25%、残りの75%はストレスや食べ物、スキンケアなど後天的要因に左右されると言われている。

つまり年齢に関係なく「若々しい美肌」は生まれつきではなく、日頃のケアや生活習慣、食事などの努力で「手に入れる」ものなのだ。
こうしたエピジェネティクスの考え方を土台に、遺伝子のスイッチのオン・オフを選択的に作動させ、肌老化を食い止める「若返り遺伝子のスイッチをオンして老化遺伝子をオフにする」技術は細胞をアンチではなくリバースするエイジングケアという発想だ。

エピジェネティクス研究の過程で見つかった、細胞内に存在するマイクロ分子(miRNA)。研究を進める中でわかったのが「マイクロ分子は老化細胞を抑制する遺伝子」があるということがわかった。この発見がアンチエイジングに革命をもたらせた。

この世紀の発見をしたのは日本人である三浦 典正医学博士。三浦博士は鳥取大学大学院細胞工学で長いことがん研究に携わってきた。
研究の場を米国テキサス大学サウスウェスタン医療センターに移しがんの治療薬開発に従事。その研究過程において癌化と老化のメカニズムが生物学的に同じベクトルに向かう現象であり、抗がん薬の中にはアンチエイジング効果を有する物質があることを知り、論文として公表したのだった。

論文発表後、大学発ベンチャー企業を創設し、その理解を深める。大学を辞した後、研究継続の傍ら、医療法人社団桜寿会理事長・院長を経て、シンガポールに拠点を置くLIVIUS PTE LTDのCSOとして従事。
現在はエピジェネティクス美容を研究する、株式会社プロラボエピジェネティクス(東京都港区・佐々木広行CEO)の最高科学責任者として、細胞リプログラミング技術を監修している。

スキンケアの概念を根本から変える世界初の美容液「EPIUS」が誕生


同社はエピジェネティクス理論に基づいた化粧品ブランド「EPIUS」(エピウス)を立ち上げることが決定した。
従来の特定の有用成分を高濃度に配合するといった、化粧品とはまったく異なる世界初のエピジェネティクスコスメだ。
開発に携わった研究陣の一人はこう語っている「私たちの技術の核心は肌を一時的に保湿したり、保護ための膜を作るなどの表面的なものではありません。
医療研究者が長年に渡って遺伝子研究から発見された先端技術を応用し、肌そのものを蘇らせる、すなわちリバースさせる化粧品です。」

遺伝子科学を用いたエピジェネティクスンコスメ「EPIUS」の誕生は、これまでのスキンケアのあり方を根本から変えてしまう可能性かもしれない。一日も早い発表が待たれる。

コラーゲン産生能が回復し、通常の4倍長生きした!!

執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子


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