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家畜に使われる「肥育ホルモン」「抗生物質」本当に安全か!?


美味しいお肉。スーパーやコンビニ、ファーストフードなどで手頃な価格で食べることができる時代。一見とても豊かなように思えるが、一方で生活習慣病などの病は増え続けている。私たちは食品の安全性についてどれだけ知識を持っているだろうか。
そして、店頭に並んでいる食品は本当に信頼に足るものなのだろうか。この国の未来のために今こそ本気で医食同源を考えてみたい。

乳がんや前立腺がんが増えている背景は、牛の残留ホルモンが原因か。


日本では乳がんが年々増加しており、1981年には4100人ほどだった乳がんによる死者が、2019年には1万4935人となり、依然増加傾向にあるという。

また、乳がんだけではない。子宮がんも卵巣がんも増え続け、男性では前立腺がんが異常な勢いで増えている。
これらのほとんどは「ホルモン依存性がん」と呼ばれているのだが、なぜ日本人にホルモン依存性がんが増えているのだろうか。

2009年、日本がん治療学会ではホルモン依存性がんの急増として考えられるのは「牛肉中のエストロゲン濃度」が原因との考察が発表されている。

また、この発表から遡ること3年、2006年にはハーバード・メディカルスクールが女性9万人を調べ「牛の赤肉を大量に食べると乳がんリスクを増大させる。牛の残留ホルモン剤の影響では」と指摘している。
事実、日本の牛肉消費量は60年代に比べ5倍に増え、ホルモン依存性がんもまた5倍に増えているのだ。

EUでは禁止されている肥育ホルモンや抗生物質が、日本では普通に流通している。


実際に日本人の牛肉消費量とホルモン依存性がんの発生数が比例していることを見ても明らかだろう。
だが原因は牛肉そのものではない。成長を早め、大きく太らすために使われる「肥育ホルモン」や「抗生物質」が問題なのだ。

アメリカ、カナダ、オーストラリアなど主要な牛肉輸出国では「肥育ホルモン」としてエストロゲンの使用を認めている。

過剰なエストロゲンが乳がんの原因となることは医学会では周知の事実。がん患者に「肉や乳製品を控えるように」と指導する医師も少なくない。
残念ながらスーパーやファーストフード等で安価に食べられる牛肉のほとんどはホルモン漬けと考えていいだろう。

北海道大学の半田康医師の検証によると「無作為に札幌市内で購入した牛肉の残留ホルモン濃度を測定機器で検査したところ、アメリカ産牛肉から国産と比べて赤身で600倍、脂身で140倍ものエストロゲンが含まれていた」ことが明らかになったという。

残留ホルモンのリスクを危険視したEU(欧州連合)は1988年から肥育ホルモン剤をはじめ抗生物質モネンシンを添加した飼料を禁止。
翌年にはこれらを使用した牛肉の輸入も禁止した。ところが日本は肥育ホルモン剤を使用した牛肉の輸入は禁止していない。それどころか、30%~40%の和牛は抗生物質モネンシンが使用されているといった話も聞く。

消費期限切れや偽装表示が発覚すると大々的に報道されるが、食品添加物による健康被害はほとんどニュースにならない。
欧州で禁じられている食品が、日本では当たり前のように流通され日々の食卓に並んでいるのだ。恐ろしい話だ。

安全が脅かされているのは家畜に限ったことではない。諸外国のほとんどが禁じている除草剤も日本では普通に使われているのだ。
昔はまったく口にしなかったような化学物質まみれの食品を日常的に食べている私たち。

がん、糖尿病、アトピー、認知症など原因がはっきりしない病気が増えているのも、肥育ホルモンや抗生物質等が一因ではないだろうか。
生活習慣病や現代病は、もしかすると現代社会が作り出した「化学的な食事」が影響しているのかもれない。
日本の未来のためにも今一度「畜農業」の重要性を意識した「医食農同源」という発想ではないだろうか。

安全で美味しい肉を提供。飼育環境からこだわった肉割烹。


肥育ホルモンや抗生物質等を一切使わず育てた肉だけを提供する肉割烹「麻布 肉しゃり」 new window が麻布にオープンし、注目が集まっている。
「麻布 肉しゃり」のコンセプトについて広報担当者は次のように語る。

「人間も牛も食べたものからできているという考え方に基づき、牛のエサにもこだわった宮崎県 都萬牛を中心に、食材を厳選しています。麻布 肉しゃりは腸に良いものを入れ、悪いものを出すというインナービューティの考え方に基づき、腸が喜ぶお肉を提供していきます。」

インナービューティ肉割烹として「腸がよろこぶ肉」をコンセプトに掲げる同店では、提供する食材への安全性は徹底している。
無農薬野菜をはじめ、牛肉はストレスフリーで長期肥育するなど飼育環境からこだわりをみせる。
「麻布 肉しゃり」は完全会員制で住所非公開となっている。

執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子


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