矢野経済研究所(本社東京都中野区、水越孝社長))は、最近注目されているフェムケア&フェムテック(消費財・サービス)市場を調査し、参入企業の現況や動向、市場の課題と展望を明らかにしました。
女性の健康やライフスタイルの悩みに応える製品やサービスのことをフェムケア&フェムテック(FemCare & FemTech:femaleとCare、Technologyを掛け合わせた造語)としてキーワード化されており、欧米諸国を中心に関連市場が活況となっています。
国内でも注目されるようになった背景としてここ数年、SDGsの認知度が急激に高まりメディアでも取り上げられるようになり、環境分野のみならず、さまざまな分野への女性の社会進出など、特にジェンダー平等の実現に向けて、女性をエンパワーメントする流れが一気に盛り上がってきたことが挙げられます。
さらに、海外で先行していた『フェムテック』という言葉が日本国内に入ってきたこと、大手百貨店でフェムテックがテーマの売り場ができたこと等により、2019年頃から様々なアイテムやサービスがフェムテックの枠で語られ、カテゴリーを与えられたことで注目されるようになりました。
具体的なアイテムとしては、2019年頃から2020年にかけて吸水ショーツのスタートアップ参入が相次ぎ、クラウドファンディングの活用や資金調達が行われたこと、コロナ禍で「生理の貧困」の問題が社会課題として捉えられるようになったことなどから、今のところ、フェムケア&フェムテック(消費財・サービス)市場の中でも、生理(月経)分野のアイテム・サービスに注目が集まっています。
また、国内では労働力不足が顕在化していたという背景もあり、以前より兆しがあった女性活躍推進の動きも加速しており、ジェンダー投資やフェムケア&フェムテックについて既存企業の関心も高いとみられます。
同社の調査においては、生理(月経)系、不妊・妊よう性ケア/妊娠・産後ケア、更年期ケア、ウィメンズヘルスケア、セクシャルウェルネスの5分野のアイテム・サービスを対象として市場規模を推計しています。2020年のフェムケア&フェムテック(消費財・サービス)市場規模は前年比103.9%の597億800万円でした。
健康ジャーナルライター
ホリスティック・ ジャーナル