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国際的なインフルエンザウイルスによる死亡率の長期変化が明らかに


国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、学長:那須保友)の岡山大学病院感染症内科の萩谷英大准教授と岡山大学学術研究院医歯薬学域医療教育センター薬学教育部門健康情報科学分野の小山敏広准教授は、これまで十分に明らかにされていなかった国際的なインフルエンザの死亡率の長期的な変化を明らかにしました。
本研究は札幌医科大学、大阪大学、徳島大学病院などの複数の研究機関と医療機関の研究者との共同研究において実施されました。

インフルエンザウイルス感染症は気道感染症として臨床的に頻度の高い疾患ですが、その大半は対症療法または抗ウイルス薬の投与により、重篤化することは多くはありません。しかし、免疫力が低下している状態や、その他の基礎疾患を有している場合は重症化することがあり、命に関わる場合も少なくありません。

本研究では、世界保健機関から提供を受けた65か国のインフルエンザウイルス感染症死亡患者数のデータについて2001年から2018年までを分析しました。

その結果、インフルエンザウイルスによる人口当たりの死亡者数は2009年ごろから世界的に増加傾向にあることが示されました。また、地理的には北米、西ヨーロッパなどで顕著に増加傾向が認められ、国や地域によってインフルエンザウイルスによる死亡率の長期的な変化について異なる傾向があることが示唆されました。
研究成果は、英国感染症協会学術雑誌「Journal of Infection」のオンライン版に2023年6月16日に掲載されました。

またこの記事は2023年8月31日に岡山大学ホームページで公開されました。
国立大学法人岡山大学
https://www.okayama-u.ac.jp/

執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子


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