9月2日、政府は厚生労働省が所管している「食品衛生基準行政」を、消費者庁へ移管することを決めました。
同日、加藤勝信厚生労働大臣は記者会見で「健康局に「感染症対策部」を設置するとともに、国立感染症研究所と国立研究開発法人国立国際医療研究センターを統合し、感染症等に関する科学的知見の基盤・拠点となる新たな専門家組織を創設します。
あわせて、食品衛生基準行政を消費者庁へ、水道整備・管理行政を国土交通省及び環境省へ移管いたします」と述べました。移管に必要な法律案を、来年の通常国会に提出する方針で、移管は2024年度にも実施したい考えです。
現在、厚生労働省では食品基準審査課が食品衛生基準行政を担当しています。同課には、40年前にトクホ制度を作った新開発食品保健対策室が置かれており、さらに健康食品の安全性確保やアドバイザリースタッフ制度に関わる行政も担当しています。
この課の業務が消費者庁に移ることで、保健機能食品も含めた健康食品全般に関する食品表示や安全性などの行政が、消費者庁に集約される可能性が高くなりました。
しかし、現時点では具体的な詳細はまだ白紙の段階で、年内にも移管に関する骨格を固めていくことになるようです。
さらに厚生労働省は、医薬・生活衛生局が担当する生活衛生関係行政に関わる一部業務も他省庁に移管する一方で、健康局に「感染症対策本部」を新設し「平時からの感染症対応能力を強化」し、同時に医薬品の審査体制を強化して承認までの迅速化も図る方針です。
「新型コロナウイルス感染症に関するこれまでの取組を踏まえた次の感染症危機に備えるための具体策」では、「食品安全行政の司令塔機能を担う消費者庁が、食品衛生に関する規格・基準の策定を所管することで、食品衛生についての科学的な安全性を確保し、消費者利益のさらなる増進を図る」としています。
しかし、GMPを含めた健康食品の安全性や機能性表示食品を含む保健機能食品の機能性に関する科学的知見に、消費者庁がどこまで対応できるかは不透明。
今後の消費者庁への移管に関する内容からは当面目が離せない様相です。
健康ジャーナルライター
ホリスティック・ ジャーナル