2024年7月9日に内閣府から発表された「女性版骨太の方針2024」では、女性活躍・男女共同参画を推進するため、「人材の育成」に取り組むことが横串に据えられ、女性たちのさらなる活躍が期待されています。
一方で、その活躍を妨げている一因としてライフステージ毎の女性特有の健康問題( PMS(月経前症候群)や更年期の諸症状など)への対応が求められています。女性たちの持つ力を最大限発揮させるためには、女性ならではの健康課題に正しく対処するための「ヘルスリテラシー」が重要になってきます。
その現状を探ることで、女性たちが自分自身のからだと向き合うきっかけにして欲しいという想いとともに、世の中全体で「女性の健康」について考える機会を啓蒙していく目的で大塚製薬が、20~59歳の女性を対象に「大塚製薬 女性のヘルスリテラシー調査(2024年度)」を実施し、その結果を発表しました。
女性たちの健康管理の実態
女性ホルモンのサイクルや年齢によって変化する女性のからだ。その変化は年齢と共に移り変わり、ライフステージ毎に様々な心身の不調をもたらすこともあります。そんな女性特有の不調に対し、医療機関などは利用していないと回答した人は両年代で約6割に及びました。(図1・赤枠)
婦人科検診の受診をしている人はどれ位いるのか?
自身の健康状態を知るために重要な婦人科検診。しかし、婦人科検診を受診していない人は、20~34歳で5割以上、35~59歳では4割いることが今回の調査で分かりました。
また、積極的に受診している人は、両年代とも約半数ということが明らかになりました。(図2・赤枠)
婦人科検診を受診する理由
婦人科を受診している人に、その理由を聞いてみますと、「受診すべき年齢になったから」に次いで、「自分の健康について知っておくべきだと思うから」や、「自分の健康に不安を感じるようになったから」など、健康意識によるものが両年代で上位となりました。(図3・赤枠)
ただし、20~34歳においては、ライフステージの変化や、両親からの受診の勧めが、受診の理由として30~59歳よりも回答割合が高くなる結果に。(図3・青枠)
かかりつけ婦人科医がいる人の割合
女性の身体は、女性ホルモンの変動によって、日々変化していきます。かかりつけ婦人科医をもつことは、普段からの自身の状態を客観的に把握することにつながり、疾病・疾患の早期発見だけでなく、健康の維持にもつながります。しかし、調査の結果、そんな「かかりつけ婦人科医がいない人」が20~34歳で約5割、35~59歳では約6割もいることが明らかになりました。(図4・赤枠)
かかりつけ婦人科医がいる人の理由
かかりつけ婦人科医がいる人に、その理由を聞いてみますと、20~34歳で多いのは、月経や妊娠・出産についての相談・検診・治療のためという回答。
一方、35~59歳では、女性特有のがん、月経・更年期・女性特有のがん以外の症状・不調、そして、更年期症状についての相談・検診・治療のためという回答割合が高い結果となり、かかりつけ婦人科医がいる理由は、年代によって異なることがこの調査から明らかとなりました。(図5・青枠)
女性ホルモンに関する知識と対処・対応
PMS(月経前症候群)や更年期の諸症状など女性特有の健康問題は、女性ホルモンの変化が原因で起こりますが、その根幹とも言える女性ホルモンについて、両年代ともに7割以上の人が「知識がない」と回答しました。(図6・赤枠)
女性ホルモンいついて知っていることは?
女性ホルモンに関して知っていることについて、月経・妊娠・PMSに関する知識は両年代で共に多いものの(図7・赤枠)、その他の知識は30~59歳の方が高く、特に更年期症状・障害に関する知識は3倍もの差がありました。(図7・青枠)
女性ホルモンのための対処・対応として行っていること
女性ホルモンのためにどのような対処・対応を行っているかを聞いたところ、両年代共に「納豆・豆腐などの大豆食品をよく食べる」が最も高く、次いで「栄養バランスの良い食事」、「質の良い睡眠」、「適度な運動」とい
う健康三原則が次ぐ結果に。(図8・赤枠)
ただし、その他の対処・対応を見てみますと、35~59歳よりも20~34歳の方が、アプリや体温測定によって自身の女性ホルモンの変化を把握していたり、処方医薬品・漢方薬の活用や、ピルやホルモン補充療法の活用をしている事がわかりました。(図8・青枠)
女性における健康管理と生活への満足度には密接な関係がある
日々の生活について聞いたところ、両年代共に、一般的なセルフケアに加えて、医療機関も利用している人は、「自然体で過ごせる」「人に対して思いやりが持てる」「心に余裕が持てる」など、現在の生活に対する満足度が高いことが伺えます。(図9)
健康ジャーナルライター
ホリスティック・ ジャーナル