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拡大基調のパーソナルヘルスケアサービス市場

ヘルスケア

矢野経済研究所が国内のパーソナルヘルスケアサービス市場を調査し、参入企業の動向および将来展望を明らかにしました。

パーソナルヘルスケアサービスには、個人の健康習慣づくりを支援する様々なサービスが存在します。無料のパーソナルヘルスケアサービスの一般化、民間保険や自治体などによる様々なサービス普及などを背景に、個人が有料で利用するものは専門性が高く、より個人のニーズに寄り添った高付加価値なサービスが選択されています。事業者によってはターゲットを絞ったサービス提供や料金体系の変更等を行い有料サービスユーザー拡大への取り組みを行っています。
近年は政府のPHR(Personal Health Record)の環境整備に向けた取り組みや民間事業者によるPHR団体の設立など官民の活動が活発化しています。個人が健康情報の管理・閲覧ができる環境が整うことで、より主体的に自身のPHRの管理、活用、効率的・効果的な保険医療やヘルスケアサービスの活用が期待できます。

グラフ

疾患管理・予防アプリは、様々な形でアプリの展開(マネタイズ)がなされています。具体的にはフリーミアム(基本的な機能は無料、より高度な機能は有料で提供するサービス)や有料会員、アプリ購入時課金による「B to C」(ユーザー向け課金なしの場合もある)に加え、医療機関を通じた展開の「B to M to P」、自治体を通じた展開の「B to G to C」、ヘルスケア関連企業を通じた展開の「B to B to C」、企業や健康保険組合を通じた展開の「B to B to E」が挙げられます。多くの疾患管理・予防アプリは、「B to C」でのマネタイズ(収益化)はしていない、あるいは提供事業者の売上の一部を構成するに過ぎず、マネタイズの中心は「B to C」以外の各種形式となっています。

高齢化社会の進展を背景に予防医療への関心が高まるなか、パーソナルヘルスケアサービスは今後も拡大基調が予測されます。今後は、ターゲットを細かく絞ったサービスや、複数のサービスを組み込んだパッケージ型などが展開され、一定の需要が想定されると思われます。

執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子


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