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国内化粧品市場は活況 外出機会の増加で「脱マスク」とインバウンド需要の復調が牽引


富士経済は「脱マスク」で顔全体を見せる機会が増加したことや、訪日客が増えインバウンド需要が増加したことで好調な化粧品の国内市場を総括・分析し、その結果を発表しました。調査では、6カテゴリー42品目の国内化粧品市場を総括し、価格帯やチャネル別に動向を分析しています。

2023年は、原材料費の高騰で低価格帯商品や輸入商品の値上げが進みましたが、5月に新型コロナウイルス感染症が5類に移行したことによる外出機会の増加や、「脱マスク」が進み、顔全体を見せる機会が増加したことから、スキンケアやメイクアップなどの需要が伸び市場が拡大しました。
2024年も、引き続き外出機会の増加や、渡航制限の大幅な緩和や円安の進行を受けた訪日客の大幅増加に伴うインバウンド需要の高まりによって、市場は前年比4.2%増の3兆2,102億円を見込んでいます。(表1)
表1

<価格帯別での化粧品市場>
表2

高価格帯


2023年は、百貨店や化粧品店への来店客数の増加や「脱マスク」で化粧の仕上がりを重視する消費者が増えたことから、マスクで隠れていたフェイスラインやほうれい線などのたるみケアを訴求したスキンケア商品や、カバー力やツヤ感を訴求したベースメイク商品など、高機能で単価の高い商品が伸びています。また、男性の身だしなみ意識の高まりからミドル世代をターゲットとしたオールインワンのメンズ整肌料などの需要も増え、市場は拡大しました。
2024年も、仕上がりを重視する消費者が色味や質感など使い分けを目的に、ベースメイク商品やポイントメイク商品の複数購入がみられるほか、ケア意識の高まりでヘアケア・ヘアメイク商品の使用が定着し需要が増える様相です。さらに、訪日客のインバウンド需要も高まり市場は拡大することが予想されます。

中価格帯

2023年は、マスクを外して外出する機会が増えたことで、日焼け止めクリームといったボディケア商品や、プレステージブランドとセルフステージブランドへの需要の二極化で苦戦していたスキンケアで、たるみやしわの改善効果がある商品が伸びたほか、“粘膜カラー”や“ネオンカラー”など色味のトレンドが創出されリップカラーなどが伸びました。また、中価格帯ブランドは機能と価格のバランスが取れた“ミドルコスメ”としてSNSで取り上げられる機会が増加したことや、マス向けカウンセリングブランドを中心にプロモーションの強化や新商品の発売が進み、市場は拡大しました。
2024年は、百貨店の集客やインバウンド需要の増加が進むほか、医薬部外品の発売が増えていることや機能性を訴求した商品の需要が増え、マス層を中心に機能と価格のバランスの取れた商品として中価格帯ブランドを選択する消費者が増加することから、市場は拡大するとみられます。

低価格帯


2023年は、手頃な価格で様々なメイクを楽しみたいという消費者のニーズが回復し、ポイントメイクやベースメイクなどのメイクアップ商品が伸びています。また、シートパックの日常使いの定着や、ビタミンCなど特定の成分を配合したスキンケア商品がSNSで話題となり高・中価格帯からの需要シフトが増え、市場は拡大しました。
2024年も、メイクアップの意識がさらに高まり、トレンドの韓国メイクを再現できるベースメイク商品やポイントメイク商品の需要が増加することが予想されます。スキンケアは“美容医療”をコンセプトとした商品投入がみられるほか、インバウンド需要の増加で市場は拡大する見込みです。

執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子


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