富士経済は、男性のスキンケア意識の高まりで成長が続くメンズコスメティックス市場の調査結果を公表しました。
メンズコスメティックスは、男性用のシャンプー・リンス、スタイリング剤、スカルプケア、シェービング料、洗顔料、整肌料、ボディケア用品を対象としています。リモート会議などで自身の顔を見る機会が増えスキンケア意識が高まったことなどから、近年市場は成長を続けてきましたが、2024年は前年比0.3%減となりました。同年はメンズ整肌料が好調を維持した一方、規模の大きいメンズシャンプー・リンスやメンズスカルプケアなどが苦戦しました。メンズシャンプー・リンスはユニセックスで利用できる女性用シャンプーへの需要流出、メンズスカルプケアは医薬品との競合激化が主な要因となっているようです。
メンズ整肌料は、保湿ケア化粧品(化粧水、乳液、モイスチャー他)、顔拭きシート、メイクアップ化粧品(ベースメイク、ポイントメイク)を対象としています。市場は近年拡大が続いており、特にワンステップでケアが完了するオールインワンタイプの保湿ケア化粧品の需要が旺盛のようです。オールインワンや美容液、モイスチャークリームを含むモイスチャー他カテゴリーは2023年に前年比約30%の大幅増、2024年も前年比約15%増で市場をけん引しています。保湿ケア化粧品の需要は手軽なオールインワンタイプへ集中しており、手軽さや保湿の訴求のみならず、エイジングケアなどの機能性を訴求したアイテム展開も進んでいる様相です。一方で化粧水や乳液といった単品の保湿ケア化粧品は新規需要の獲得に苦戦するケースもみられます。
メイクアップ化粧品は、青髭対策のBBクリームが順調に伸びている一方、他のアイテムはリピート獲得に課題があります。若年層を中心にメイクへの抵抗感は薄れつつありますが、現状ではメイクアップ未経験層が多く、潜在需要の掘り起こしが課題となっていると言えます。

健康ジャーナルライター
ホリスティック・ ジャーナル