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大麦若葉末「むぎおう®」が善玉菌であるビフィズス菌を増やし、腸内への定着を促す可能性を確認


アサヒ緑健と東洋新薬との間で設立された合弁企業「株式会社 大地の力研究所(本社・福岡県福岡市)」は、大麦若葉末「むぎおう®」がビフィズス菌の増殖に与える影響と、腸管の細胞モデルへの定着に与える作用を検証し、日本食品科学工学会第69回大会において発表しました。

大麦若葉末は、イネ科オオムギ属に属するオオムギ(Hordeum vulgare L.)の出穂前の若葉部を乾燥・微粉砕加工した淡緑〜濃緑色の粉末。大麦若葉末は食物繊維を豊富に含み、青汁などの商品に利用されています。
また、腸内細菌によって資化(細菌がある物質を取り込み、それを生育するためのエネルギー源として利用すること)されることで、有益な生理作用を発揮する独特な機能性を有しています。これまでに同社では、大麦若葉末の機能性に関して様々な研究を進めてきました。

今回発表された骨子

①大麦若葉末「むぎおう®」がビフィズス菌の増殖に与える影響

ビフィズス菌Bifidobacterium longum(以下、B.longum)の菌液を、大麦若葉末を含む液体培地に接種し、24時間嫌気培養(酸素のない環境で菌を培養する方法でビフィズス菌は偏性嫌気性菌であるためこの方法で増殖させる。)させました。(以下培養は全て嫌気的、37℃で実施)。

さらに、培養した液を寒天培地に接種して48時間培養した後、プレートカウント法(菌液を適切な濃度に希釈して寒天培地に塗布し、生育したコロニーを数えることで菌の増殖率を評価する方法。コロニーは培地上に形成された細菌の集落)により生菌数を測定しました。
その結果、大麦若葉末「むぎおう®」がビフィズス菌の増殖率を高めることが示され、その影響が従来の大麦若葉末よりも大きいことが示されました。(図1)

図1

②大麦若葉末「むぎおう®」がビフィズス菌の腸内への定着に与える作用

蛍光標識化(観察や測定を容易にするため、観察対象が蛍光を発するよう試薬(DAPI:4′,6-diamidino-2-phenylindoleなど)などにより処理すること)したビフィズス菌B.longumを、大麦若葉末を含む液体培地で24〜36時間培養し、ヒト結腸癌由来細胞(ヒトの結腸癌から単離された細胞で、腸における食品成分等の吸収を評価する際に利用される)であるCaco-2細胞に接種しました。

2時間後に蛍光を測定してCaco-2細胞へのビフィズス菌の定着率を評価した結果、大麦若葉末「むぎおう®」ありの場合は、なしの場合に比べてCaco-2細胞へのビフィズス菌の定着率が高いことが明らかとなったことで、大麦若葉末「むぎおう®」がビフィズス菌の腸管への定着率を高めている可能性が示されました。(図2)

図2

執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子


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