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ペットボトル症候群に注意


暑さが厳しくなると、熱中症や脱水症状のリスクが高まりまる。これを防ぐためには、適切な水分補給が欠かせない。
人の水分必要量は一日に2.5Lといわれており、このうち1Lは食事から摂取しているため、残りの1.5Lの水分を補給する必要がある。
その時に、気をつけたいのが「ペットボトル症候群」。ペットボトル症候群とは清涼飲料水ケトーシス、ソフトドリンクケトーシスとも呼ばれ、これは甘い清涼飲料水を多量に飲むことで引き起こされる急性の糖尿病のこと。

ブドウ糖や砂糖が多く含まれている飲み物を摂取すると、血糖値は急激に上昇し高血糖状態となる。
通常であれば、血糖値が上がると膵臓からインスリンが出て血糖値を下げてくれる。インスリンには、食事などから摂取されたブトウ糖を細胞内に取り込み、エネルギーに変えるという働きがあり、そのため血糖値が下がるといった仕組みだ。

しかし、甘い清涼飲料水を飲み続けるとインスリンの働きは低下し、ブトウ糖からエネルギーを得られなくなる。
すると、ブドウ糖の代わりに身体に蓄えられていた脂肪がエネルギー源として使われることになり、ケトン体という物質が作られる。
酸性の物質であるケトン体が大量に増えると身体も酸性に傾き、疲れやすい、体がだるい、腹痛、吐き気などの症状が。重症化すると意識障害や昏睡を引き起こすこともある。

ちなみに一般的な炭酸飲料や清涼飲料水には500mlのペットボトル1本にはおよそ50gの糖分が入っていると言われており、角砂糖に置き換えると約15個分に相当する。
米国でもペットボトル症候群は問題視されており、中でも子供の肥満が増えていることを受け、清涼飲料の業界団体は公立小中学校でコーラなどのエネルギー量、炭水化物、脂肪の多い清涼飲料水の発売を全面的に停止することを発表している。

経口補水液も要注意


熱中症対策に、経口補水液を摂るという人も多いだろう。確かに経口補水液はナトリウム(食塩)やカリウムのバランスがよく脱水症状には効果的だ。
だが、これもまた100mlあたり5kcalの糖分が含まれている。例え経口補水液といえども、多量に摂取すればペットボトル症候群を引き起こす可能性は否めない。
実際に、学校の部活動でスポーツドリンクを一気飲みした中学生が、いきなり高血糖で昏倒し、救急車で搬送された事例も報告されている。
またカロリーゼロ、ノンシュガー、糖質オフを謳った飲料も数多く市販されているが、こうした商品の多くは糖質の量を少なくしたり、体内で吸収しにくくエネルギーになりにくい甘味料を使っているが、決してエネルギーがゼロということではない。
食品表示法では「カロリーオフ」は100ミリリットル当りのエネルギーが20kcal以下、「カロリーゼロ」は5kcal未満であれば表示できるのだ。
ペットボトル症候群を防ぎ、正しく水分補給するために次の点に気をつけたい。

●水分補給には糖分が含まれない水やお茶(カフェインを含まない麦茶など)を主に摂取する
●カフェインを含む飲料(コーヒーや紅茶)やアルコールは利尿作用があるため、水分補給には適していない
●スポーツドリンクやエナジードリンクは原料に注意する。カロリーゼロも人工甘味料が入っていたら糖分ゼロではない。
●真夏日はこまめな水分補給を。特に運動後や汗をかいた後は、水や無糖のお茶を選んで、体内の水分をしっかり補給する。
●最低でも1日に1.5L以上の水分を摂取

暑い夏を乗り切るためには、適切な水分補給が欠かせない。「ペットボトル症候群」のリスクを理解し、糖分取りすぎには十分注意したい。

執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子


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