男女1000人に聞いた!
コロナ禍における目の不調に関する実態調査 「気づいて!涙液トラブル啓発委員会」が発表
同委員会は東邦大学医療センター大森病院 眼科 堀裕一 氏、順天堂大学医学部 眼科学教室 猪俣武範 氏、ケイシン五反田アイクリニック院長 内野美樹 氏、東京歯科大学 市川総合病院眼科 山口剛史 氏らをメンバーとして構成されており、参天製薬がサポートしています。
調査は全国の20~69歳一般男女(関連職業は除く) 合計1000名を対象に2020年6月23日(火)~6月25日(木)の3日間、同委員会メンバーのケイシン五反田アイクリニック院長 内野美樹 氏 監修のもと、インターネットによる方法で実施されました。
コロナ禍におけるリモートワークが約3倍増で目の不快症状が増えていることが明らかに!
今回の調査では、昨今のコロナ禍によってリモートワークを導入、デスクワークが増える状況にある中で、新型コロナウィルス発生前と新型コロナウィルスによる緊急事態宣言発令中でのリモートワーク状況の実態を調査しています。
その結果、新型コロナウィルス発生前のリモートワーク実施状況は全体の7.3%だったのに対し、新型コロナウィルスによる緊急事態宣言発令中ではリモートワーク実施状況が全体の22.7%と約3倍に増えていることから、新型コロナウィルス発生前と比較するとリモートワークは増加傾向にあることがわかりました。(グラフ①②)
さらに、リモートワーク実施経験者にリモートワーク前と比較した体調の変化を尋ねると、1位が「首・肩のこり」で27%、次いで2位が「目の疲れ」25%、以下「ストレス」「目の乾き」17%と続く結果になりました。
また、「近くが見づらい」10%、「目の異物感」9%、遠くが見づらい7%など、リモートワーク実施により目の不快症状が増える結果となっています。(グラフ③)
ドライアイを正しく理解していたのは1000人に1人
ドライアイが慢性疾患であると認識しているのは約3割弱
リモートワークが増えた結果、目の不快症状を覚えてドライアイを疑う人も多いのではないでしょうか。
そこで、ドライアイについて尋ねた結果、ドライアイの症状として最もよく知られているのは「目が乾くこと」で83%の回答となり、ドライアイは目が乾くことであると認識している人が多いことがわかりました。
一方で、「ドライアイは、涙の不安定になる病気である」と回答した人は33%、「ドライアイは、慢性疾患である」と回答した人は34%となっており、目が乾く以外の症状の認識や、そもそもドライアイが慢性疾患である認識はまだまだ低い傾向にあることがわかりました。(グラフ④⑤)
また、今回の調査で自由回答にてドライアイに関する認識を聞いたところ、正しい認識である
「涙の量が不足していたり、涙の質のバランスが崩れることによって、涙が均等にいきわたらなくなる病気。」
と回答したのは、男女1000人のうち、1名という結果になり、まだまだドライアイに関する正しい認識が広がっていないことが浮き彫りになっています。
さらに、対処方法として「ドライアイは眼科医にて診断されて、適切な治療を受けるべきである」が64.1%と、過半数は越えているものの、病院で治すべき慢性疾患という認識が薄いことが顕著になりました。
目の充血や痛みをはじめとする症状の中には、別の病気の初期症状の可能性があるものも含まれるケースもあるため、自己判断をせずに、眼科医の正しい診断を受けることも重要と言えるでしょう。(グラフ⑥)
(囲み扱い)
「涙液トラブル」とは
「涙液トラブル」とは、涙の不具合が原因で起こる目の不快症状。目の乾き、疲れ目、かすみ目など、目の不快症状の根本原因の一つは、涙の分泌量や成分が不安定になることだと考えられます。
涙がうまく分泌されなかったり、涙の成分がきちんと生成されなかったりすると「涙液トラブル」となり、目の乾き、疲れ目、かすみ目などさまざまな目の不快症状が現れます。
涙の成分には、目の表面の組織(角膜)と涙を結びつける「ムチン」などがあります。
涙液トラブルが発生する頻度が多くなったり重症化したりすると、ドライアイや、角膜の傷、目の表面の炎症などの病気を引き起こす場合もあります。
涙の不具合、つまり「涙液トラブル」を予防したり改善したりすることで、目の不快な症状を抑えられるため、涙そのものへのケアが大切になります。
目の健康に対する意識の低い方が自身の目のトラブルに気づき、具体的な対策をとっていただくためのきっかけづくりとして、公平な視点や立場から、目のトラブルと涙の関係性についての正しい知識やエビデンスを発信し、「目の疲れ、かすみ、不快感は実は涙の不安定性、涙液トラブルが原因 」という可能性があることの啓発活動を行っています。
健康ジャーナルライター
ホリスティック・ ジャーナル