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職場での空気環境に不安を抱える人は約4割 コロナ禍での空気環境に関する意識調査で明らかに

換気

オゾン関連商品の研究・開発・製造・販売のオーニット(本社岡山県、仁戸田昌典社長)は企業や個人においての新型コロナウイルスによる予防対策として提唱されている手を洗う、除菌するなどが徹底されている「接触感染」に比べ、『飛沫対策』には差があるのではとの観点から、コロナ禍での空気環境の実態を探る目的で全国20〜50歳代の男女300名を対象に「空気環境に関する調査」を実施し、その結果を公表しました。

調査期間は2021年6月26日〜6月29日。
本調査ではコメンテーターとして、多数のテレビ番組などに出演している感染症学専門家で日本医科大学特任教授の北村義浩氏が監修にあたっています。

昨年の緊急事態宣言下と比較して出社する頻度は3割が上がったと回答。出社する必要はないものの4人に1人は「空気を読んで」出社していることが判明

出社

昨年の緊急事態宣言下と比較した際の現在の出社頻度についての調査出社では、約3割の人が出社頻度は「あがった」と回答しています。
中でも最も多かったのは毎日出社している人で約7割、続いて多かったのが週3日で約1割という結果になりました。(グラフ1・2)

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次に、出社する必要はないものの「空気を読んで」出社することがあるかを聞いたところ、約4人に1人(25.7%)が「空気を読んで出社している」という回答が得られました。(グラフ3)

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<北村義浩氏のコメント>
大都市では、在宅勤務は流行拡大を予防したり抑制したりするのに有効です。
最近出勤する人が増えていることは流行が収まらない要因のひとつといえます。

オフィスの空気環境が気になる人が約6割。空気環境を整える方法で最も多かった対策は「窓を開ける」

出社する際にオフィスの空気環境が気になるかどうかを聞いた質問では、オフィスの空気環境が気になると答えた人が約6割という結果になりました。(グラフ4)

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そこで、空気環境を整える方法を聞いたところ、「窓を開ける」が約7割と最も多く、続いて「換気扇を回す」「空気清浄機を付ける」が多い結果となりました。(グラフ5)

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<北村義浩氏のコメント>
痘・帯状疱疹ウイルスは空気感染(飛沫核感染、エアロゾル感染)が認められ伝播力が強いウイルスです。
デルタ株コロナウイルスは水痘・帯状疱疹ウイルスと同じくらい強い伝播力があります。
空気感染対策として換気はとても効果的です。

未就学児の子供は昨年の緊急事態宣言下と比較して登園する頻度が約半数が上がった。最も気になるのは「登園時の消毒の有無」や「室内の空気環境」

未就学児の子供がいる人に、昨年の緊急事態宣言下と比較した際の登園する頻度の変化について尋ねたところ、約半数の人が登園する頻度が「上がった」と回答しています。また、登園している園での感染予防に関して「気になる」と答えた人が約7割いることがわかりました。(グラフ6・7)

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そこで、「気になる」と答えた人に気になる項目について聞いたところ、最も多かったのは「登園時の消毒の有無」で約6割、続いて「室内の空気環境」、「遊具の消毒の有無」という結果となっています。(グラフ8)
        
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<北村義浩氏のコメント>
未就学児はマスク着用ができませんので、児童間の感染は防げません。
ただ、未就学児はコロナ感染で重篤に至ることは稀なので心配は無用です。

保育園の空気環境を整える方法の第1位は「窓を開ける」。今の職場・保育園の空気環境に不安を抱える人は約4割

保育園の「空気環境」を整える方法として何を行っているかを知っているかを尋ねたところ、 最も多かったのは「窓を開ける」で約6割という結果になりました。
続いて「空気清浄機を付ける」、「換気扇を回す」と続きます。
また、「把握していない(わからない)」と答えた人も約3割いることが判明しました。(グラフ9)

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今の職場・保育園の「空気環境」について、現在行っている対策のみで安心しているかどうかを聞いたところ、「空気環境」への対策では不安と答えた人が約4割もいることがわかりました。また、自宅での「空気環境」を整える方法を尋ねたところ、「窓を開ける」人が約7割と最も多い結果となっています。(グラフ10・11)

グラフ

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<北村義浩氏のコメント>
保育園での新型コロナウイルス感染対策で最も有効な方法の1つは、窓の開閉による換気です。

同社が行なった今回の調査では「空気環境」の整え方がわからない人や、不安を抱える人が多いことが浮き彫りになりました。
そんな人のために、自宅や職場、また保育園などで活用できる『空気環境の整え方』をウイルスの3通り の感染経路(接触感染経路、空気感染経路、飛沫感染経路)のそれぞれについて、北村氏がポイントをまとめているので参考にして下さい。

1.「接触感染」経路対策は・・・
まず各人が手を洗うことです。
次いで、机、ドアノブ、水道栓などその生活空間で人が共有する物品の表面の消毒です。
消毒用アルコールや次亜塩素酸 ナトリウム水溶液で適切な方法、適切な頻度で消毒する事が重要です。
しかし、人材が少ない職場では実際には頻繁に消毒できません。
そういうときには、オゾン発生装置を利用できます。
低濃度オゾンが物品表面に存在するウイルスを不活化してくれます。
しかも、オゾンは分解すると水や酸素になるだけで、人体には安全です。
2.「空気感染」経路対策は・・・
複数の窓を開けての換気が重要です。
換気頻度は1時間に10分間が推奨されます。
しかし、人手が少ない職場では実際には頻繁に換気するのを忘れてしまうことや、そもそも風向きや窓の位置によっては換気が不十分になることもあります。
そのような場合、オゾン発生装置を補助的に利用可能です。
空気中を漂うマイクロ飛沫に存在するウイルスを低濃オゾンが不活化してくれます。
棚や冷蔵庫など大きな物品が多いと空気の流れがよどんでしまう箇所が生まれますので、物品は少なめにすることが好ましいです。
3.「飛沫感染」経路対策の基本は・・・
不織布マスク装着とソーシャルディスタンスです。
大声を出さないというのも良い対策です。
会食のようなマスクを外す状況では、人と人の間に遮蔽 板を設置するなどの追加対策が必要です。
飛沫感染対策では空気清浄器やオゾン発生装置だけで対策するのは難しいため、上記の基本的な対策が最も効果的です。
監修者プロフィール

北村 義浩(きたむら よしひろ)
北村義浩

1960年石川県生まれ。東京大学医学部医学科卒業後、同大学院医学系研究科博士課程修了、医学博士取得。専門分野は感染症学。著書に『感染症と生体防御 (放送大学教材) 』(放送大学教育振興会)などがある。新型コロナウイルス関連のニュースで専門分野である感染症学の知見を活かして現在、コメンテーターとして多数のテレビ番組に出演している。

執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子


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