「妊活」は妊娠がゴールではない
近年、雑誌をはじめ様々なメディアで取り上げられることが増えた「妊活」。ですが定義が曖昧なことから、不妊治療と混同していたり間違った情報が流れていたりと「言葉」だけが独り歩きしている感があります。そこで今回は、内面美容医学財団(IBMF)の理事長であり、同財団による公認妊活マイスター育成に尽力している松山 夕稀己先生に「妊活の本質」について伺ってきました。(敬称略)
編集部―妊活と不妊治療は違うものなのでしょうか?
松山―不妊治療は妊娠のための治療で投薬や体外受精などが主な治療法です。妊活とは妊娠に関しての正しい知識を身に付け、自然と妊娠できるような体作り。
さらには妊娠しやすい生活習慣や食生活、環境を整えていくことを言います。
編集部―根本が違うのですね
松山―そうですね。不妊治療のゴールは妊娠ですが、妊活はむしろ妊娠がスタートなのです。
編集部―妊活する上で大切なことは何でしょうか?
松山―まずは食生活の見直しですね。妊娠するために必要な卵子や精子の成長も、毎日の食事から摂取した栄養によって影響を受けているのです。
先ほども言いましたが、妊活は妊娠して終わりではなく、妊娠中から出産後のことも考えなければなりません。特に妊娠中は母体が取り込んだ栄養が赤ちゃんを育てる栄養として与えられるため、より栄養や食事に注意する必要があります。
編集部―正しい食生活というのが重要になってくるのですね。
松山―うーん。単に正しい食生活というのも違います。と言うのも、体内環境は一人一人違います。ですから、必要な栄養素というのも人それぞれ。
ある人にとって必要な栄養素が、別な人には毒=アレルゲンとなることもありますし、吸収する力も個々に違ってきます。漠然と「正しい食生活を」というのではなくて、専門機関で検査をした上で、きちんとエビデンスに基づいた食事療法を取り入れるのが理想ですね。
へその緒を通して母体の毒素が赤ちゃんに!
オリゴスキャンのすすめ
編集部―食生活の他に気をつけるべきはどのようなことでしょうか?
松山―ずばり、デトックスです!不妊傾向にある人は、体内に重金属の毒素をため込んでいるケースが多いのです。
さらに、毒素をため込んだまま妊娠すると、へその緒を通して赤ちゃんにすべての毒素が行ってしまうことに。水俣病って聞いたことありますか?
編集部―はい。熊本県でおきた公害病ですよね。水銀中毒だと記憶しています。
松山―その通りです。当時、患者の多くは胎児だったのです。母体は何ともなかったのに胎児だけに中毒があらわれ、後に胎児性水俣病患者と認定されています。
編集部―母体の毒素で胎児が中毒症状を起こす・・・。恐ろしいですね。
松山―本当に。ですから、私としては妊活だけでなく、これから赤ちゃんを産みたいという女性はすべて体内のミネラルや有害金属の検査を受けて欲しいと思っています。
編集部―簡単に検査できるものなのでしょうか?
松山―当院では5分で測定できますよ。
編集部―たった5分ですか!?
松山―「オリゴスキャン」という器械を使い、手のひらの4か所をスキャンし、体内に蓄積している有害重金属14元素と必須ミネラルや参考ミネラル20元素を5分で測定します。測定では体内に蓄積するミネラルや有害金属の量がわかります。
その上で、不足しているミネラルは補い、有害金属を排出する食事指導、場合によってはキレーションという治療を行って安心して出産できる身体に作り変えるのです。
編集部―妊活だけでなく病気の予防にもなりそうですね。
松山―ええ、もちろん!病気予防だけでなく、アンチエイジングにも役立ちます。
入り口はエステサロンが理想
編集部―今日、お話を伺ってやっと妊活の本質が見えてきました。一般的な産科では、ここまで踏み込んだお話ってなかなかしてもらえないですよね。
松山―そうですね。日本の医学部は栄養学やサプリメントなど教えないですから、妊活に大切な食事や生活習慣について指導できる医師は少ないのが現状です。
また、患者さん側も医師には気軽に相談できないとおっしゃる方がほとんど。そこで、エステサロンが妊活指導の受け皿になっていただきたいと立ち上げたのが公認妊活マイスターの資格です。
編集部―わかります!セラピストさんの前では心も身体も丸裸状態。だからでしょうか、誰にも言えない心のうちをセラピストさんにはポロっとしゃべってしまうこと、多いですね。
松山―でしょ。妊活マイスター®は、現役の医師が教える妊活についての正しい、かつ最新の知識が身につく資格です。 現役医師や栄養指導・ファスティング指導・妊活指導のスペシャリストたちから正しい知識を学べます。
妊活指導を行える人材が少ない今こそ、妊活マイスターの資格が差別化となり得ます。さらにはクリニックとの連携で、他店には出来ないプログラムを提供することも経営的にプラスになるのではないでしょうか。
編集部―医師や専門家から学べるので、その知識は自分自身の身体だけでなく仕事にも大いに活かすことができますね。松山先生、本日はありがとうございました!
グランプロクリニック銀座
常務理事 松山 夕稀己 氏
東京都中央区銀座2-8-18 グランベル銀座5階
TEL : 03-3538-5825
■ IBMF理事長/ハワイ大学医学部アトピーケア研究所 室長
■ 米国アンチエイジング医学会日本支部局長
■ 米国抗加齢医学会会員
■ 米国先端医療学会会員
■ ハワイヘルス財団会員
■ アテナクリニック国際理事
■ 株式会社プロラボホールディングス国際医療顧問
子供のアトピーを理由にハワイに移住し、テキサスのトリニティ大学でPh.D.臨床心理学博士号を習得。専門分野は予防医学や先進医療、アンチエイジング、細胞の若返りなど。1995年より、アメリカ最大の若返り治療医学会(A4M)に所属。2007年にハワイ大学内にアトピーケア研究所を開設。同大医学部テリー新谷教授の指導で栄養学を習得。体質改善などのプログラム研究に参加、栄養学と心理学を中心とした診療をしながら、精力的に予防医学の普及に努める。
グランプロクリニック銀座
HP:https://granpro-clinic.com
一般財団法人
内面美容医学財団
(IBMF)
TEL:03-6436-9771
https://ibmf.jp