エステを開業する場合、最初からすべての道具や場所まで用意しなければなりません。
さらに、広告費や人件費も必要になり、資金面で不安を抱えたまま開業をしなければならない方もいるでしょう。
この記事では、エステ開業において利用できる助成金や補助金について解説します。
資金面で不安に感じている方は参考にしてみてください。
エステ開業にはどれくらいの資金が必要?
エステ開業をする際には、どれくらいの資金が必要になるのでしょうか?
初めてエステを開業する場合、美容機器などを揃える以外にも施術用のベッド、タオルなどの消耗品、ワゴン、椅子やテーブルなども必要になってきます。
使用したものを洗うための洗濯機、スリッパ、ボールペンなどの筆記用具から顧客管理のためのパソコンまで、あらゆるものを揃えなければなりません。
他にも店舗を借りる場合には家賃なども必要であり、お会計時のレジや決済端末、集客のための広告費まで含めると高額な資金が必要です。
また、顧客管理においての予約システムの導入や管理なども含めた場合、ソフトなどの購入も必要になります。
簡単に見える部分だけでなく、見えない部分にも資金をかけなければならないので、一概にいくら必要と言い切れない部分もあります。
そのため、資金不足や資金に関する不安を抱える開業者も多いでしょう。
資金が心配な場合はエステ開業を諦めるべき?
エステの開業資金として用意しておいた金額では不安という場合、なんとか開業できたとしても当面の運用資金が不足しないかという心配が付きまといます。
また、このような資金不足を心配するあまり、「今は開業できない」という判断を下してしまう方もいるでしょう。
しかし、エステ開業の資金が心配という場合でも簡単に開業を諦めることはありません。
エステ開業には、資金面の支援策を受けることができるからです。
ここでは、エステ開業においての支援策についてご紹介します。
助成金
助成金は、厚生労働省が管轄しているもので要件を満たしている場合に給付されるものです。
原則として、返済不要のものとなります。
現在、厚生労働省は「地方再生中小企業創業助成金」として、個人事業を開業して就職を希望する者を雇用保険の一般被保険者として1人以上雇用した際に助成金が給付される制度を導入しています。
他にも雇用維持に関する助成金、雇入れ関連の助成金、キャリアアップに関する除籍金制度などを設けています。
これらの助成金を受けることで、開業時に必要な資金の負担を減らせるだけでなく、人材の確保や育成もスムーズに行えるでしょう。
補助金
補助金は、経済産業省や各自治体が主体となって行われているものです。
助成金と同じように、基本的には返済不要です。
多くの補助金制度がありますが、募集期間が決まっていたり、定員数が決まっていたりする場合も多いです。
申し込めば必ず補助金が受けられるのではなく、応募資格や審査を行ってから内容や補助金額が決まることもあります。
現在の補助金には開業時に利用しやすいものも多くあります。
このような制度を積極的に使うことで、エステ開業においての資金面の不安を軽減できるでしょう。
受けられる助成金や補助金は?
エステ開業時に対象になりやすい助成金や補助金はどれでしょうか?
ここでは、開業時に申請しやすい助成金や補助金をご紹介します。
助成金
地域雇用開発助成金
地域の中で雇用期間が減っている企業が新しい事業を設立または整備した際に、地元の求職者を雇用すると受けられる助成金です。
受給額は設置や設備の費用によって金額が変わるだけでなく、対象の労働者の人数によっても助成金額が異なります。
エステ開業で地域から3人程度の雇用をした場合、設備費に300万円以上かけていれば50万円が助成されます。
両立支援等助成金
両立支援等助成金は、働きながら介護や子育てなどを行う労働者雇用の継続を図るために就業環境を整備している事業主に対して支給する助成金です。
エステ開業後に、育児や介護を両立しやすいような時短勤務や休暇申請をしやすく整備したことで受給できます。
育児や介護を両立しているエステティシャンを雇用した場合に対象となります。
人材開発支援助成金
人材開発支援助成金は、人材育成などの教育を積極的に行う事業者に対して支給されるものです。
事業主が雇用する労働者に、エステ関連の専門的な知識や技術を習得させるために職業訓練などを計画に沿って行った場合、かかった訓練費用や訓練期間中の賃金を助成します。
ただし、助成の対象となるのは厚生労働省の認定を受けているOJT付き訓練のみです。
キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金とは、短時間労働者、有期雇用労働者などの非正規雇用労働者を企業内でのキャリアアップ促進のために利用できるものです。
助成金は事業主が受けられるものであり、労働者の意欲や能力の向上、生産性を高めることができます。
補助金
ものづくり補助金
ものづくり補助金は、正式には「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」です。
直近で開催されているのはなく、今後の開催予定についても公表されていません。
公募が開始されたら、公募要項を確認して申請します。
2024年3月まで公募されていた18次公募では、中小企業が今後複数年にわたって相次いで直面する制度変更などに対応するための設備投資費の支援が受けられるものとなっています。
エステ開業の場合、新サービスの開発や試作品などの開発に申請可能です。
事業再構築補助金
事業再構築補助金制度は、新型コロナの影響の長期化により当面の売り上げや需要回復が期待しにくいなかで新市場の進出、事業転換などの取り組みを行った企業に対して支援するものです。
基本要件として、事業再構築の定義に該当する事業かどうか、補助事業修了後の3~5年で、付加価値額の年平均成長率が3~5%以上となることが基本の要件です。
エステサロンでは、事業の再構築を目的とした場合に該当します。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、働き方改革などにより生産性の向上や持続的発見を目的とする補助金です。
小規模事業者の販路開拓や生産性向上のための支援となります。
対象者は小規模事業者で宿泊業・娯楽業以外の商業やサービス業であれば5人以下、宿泊業・娯楽業、製造業などその他においては20人以下が対象です。
エステ開業では、業務効率化を目的とした取り組みで受けられます。
返済しなければならないが融資が優遇されるものもある
エステ開業時には、助成金や補助金などがいくつもあります。
基本的に助成金や補助金においては返済義務がありませんが、対象となる条件などが細かく設けられています。
条件や要項が合わずに助成金や補助金が受けられない場合、開業資金不足を補う方法が見つからずに悩む方もいるでしょう。
このような場合には、返済しなければならないものの、融資が優遇されるものがあります。
それが新規開業資金であり、以下の内容に該当すれば利用できるので参考にしてみましょう。
新規開業資金(女性、若者/シニア起業家支援関連)
日本政策金融公庫 国民生活事業では、女性が起業する際に新規開業資金を支援しています。
新しく事業をスタートさせる方または事業開始後7年以内の女性で35歳未満か55歳以上が該当者となります。
設備資金および院展資金を融資してもらうことができ、設備資金であれば20年以内、運転資金であれば10年以内が返済期間です。
ここまで、エステ開業時に利用できる助成金や補助金について解説してきました。
ここで紹介したもの以外にも利用できる助成金や補助金があり、各自治体によって内容が異なる場合もあります。
開業前に自治体の助成金や補助金について調べておくと安心でしょう。