働き方が多様化し、独立してエステサロンの開業を目指す方も増えています。
しかし、エステティシャンの技術や経験があっても開業経験がない方の割合は大きいでしょう。
エステサロンを開業したくても、開店までに何が必要なのか、どれくらい費用がかかるのか、特別な手続きは必要なのかなど心配な方も多いのではないでしょうか。
今回はエステサロンを始めるにあたって、失敗しない開業方法や経営がうまくいくポイントなどをご紹介します。
独立が心配な方やエステサロンの開業を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
エステサロン開業に必要な資格とは?
エステサロンを開業するために必要になる資格はあるのでしょうか?
結論を言えば始めるのに特別な資格はなく、場所や資金さえ用意できれば誰でも開業することが可能です。
また、サロンのメニューにもよりますが、基本的に保健所への届出も必要ありません。
開店までのハードルが低いもののその分ライバルが多いため、長く経営していくためにはターゲットを絞ったり、他店と差別化を図ったりする必要があるでしょう。
また、技術の高さや接客スキルによっても集客力は変わっていきます。
開業に資格は不要ですが、店の信用を上げるために認定資格を取得している方も多いです。
開店直後は、顧客にとってお店の雰囲気や技術力も不明なので集客力に欠ける恐れがあるためです。
認定資格は顧客にとって安心材料の1つにもなり、お店にとっても知識や技術の向上につながるので取得を検討しても良いでしょう。
開業までにしなければならない準備について
エステサロンを始めるには、事前に様々な準備が必要です。
何が必要かを確認し、開店予定日に間に合うように準備を進めましょう。
事業計画書を作成する
自分がどのようなサロンにしたいのか事業計画を立てましょう。
お店のコンセプトやターゲットにしたい顧客層などを決めていきます。
ターゲットが明確になると、お店の雰囲気や力を入れたいサービスが定まりやすいです。
また、資金計画や収支予定なども具体的な数字や期間で表し、作成する必要があります。
料金設定や必要な資金、開店後の売り上げ目標、経費などを具体的に考えていきましょう。
できる限り内容を練ってしっかりした事業計画書を作成することをおすすめします。
融資を受ける際や補助金・助成金の申請の際には事業計画書が必要となるためです。
資金を調達する
開業資金が自己資金で賄えない場合、別の方法で資金を調達しなければなりません。
資金の調達方法として、一般的な方法は「銀行などの金融機関からの融資」「日本政策金融公庫からの融資」「補助金・助成金を利用する」が挙げられます。
日本政策金融公庫は、銀行で借りるよりも低金利で保証人や担保を必要としません。
一定の条件を満たせば誰でも融資を受けられます。
物件を探す
お店のコンセプトややりたいメニューによって希望する物件の規模は変わってくるでしょう。
従業員を雇わず、自宅で開業することもできます。
エステサロンは立地によって収益に差が出やすいです。
しかし、立地によって賃貸料も大きく変わるので注意が必要です。
物件によって今後の収益が変わってくるので立地や外観など慎重に検討して決めましょう。
店舗づくりの準備、機材や備品の調達
物件の契約が済んだ後は、電気や水道、ネット環境を整えます。
また、内装工事やサロン経営に必要な家具や物品などを用意していきましょう。
内装工事に時間がかかることもあるので余裕をもった準備が必要です。
また、開店に向けて集客の準備も併せてしておくと良いでしょう。
ホームページの設置やSNSを利用してサロンの開業を周知させていきましょう。
開業届を提出する
新規でお店を始めるにあたって、管轄する税務署へ開業届を提出する必要があります。
開業した日から1ヶ月以内に「個人事業の開業届出」を提出しましょう。
なお、まつエクやシェービングなど美容資格が必要な施術をする場合は保健所への申請が必要となります。
エステサロン開業に必要な3つの費用
エステサロンを始めるために必要となる費用は大きく分けて3つあります。
サロンのサービス内容や規模によって必要になる費用は変わってきます。
実際にどのような費用が必要になるのか確認しておきましょう。
初期費用
物件を借りる場合は家賃や敷金礼金(家賃の4~6ヶ月分)、仲介手数料なども用意しておきましょう。
自宅をサロンとして使う場合でも内装費や改築費用がある程度必要になります。
機材、物品、消耗品などの費用
施術に使用するマシーンやベッド、ソファや棚などの家具にかかる費用です。
タオルやアルコール、コットンなどの消耗品、スリッパやベッドカバーなど必要なものをリストアップしておきましょう。
広告費、宣伝費
開業初期は広告費も必要です。
ホームページの制作費やチラシ作成費など集客ツールにも大きな費用がかかります。
美容系のサイトに掲載するには月々の掲載料金が必要になるでしょう。
広告費に余裕がない場合は、SNSを使って自分かお店の情報を発信していく方法もあります。
エステサロンの開業を成功させるポイントとは?
エステサロンの開業を成功させることは、その後の経営の成功にもつながります。
ここでは、エステサロンの開業を成功させる4つのポイントを紹介しましょう。
コンセプトを明確化し、ターゲットを絞る
自分のサロンのコンセプトを明確にすることは、サロン運営を続けていくためには必要不可欠です。
どんなサロンにしたいのか、提供できるサービスは何なのか、どんな人に来てほしいのかなど具体的に考えていきましょう。
ターゲットが絞られることで内装やデザインの方向性が定まり、統一したサロン作りができます。
また、お店の強みを理解しているということは、他店との差別化が図りやすくなります。
甘い計画をしていないか、資金や計画に無理はないか
コンセプトだけでなく、自分の立てた計画に無理がないかどうか確認しましょう。
理想だけ高くても、実現できなさそうな計画であれば開業は難しいです。
自己資金が足りない場合、融資や助成金・補助金を活用するケースも考えられます。
その際、実現しにくい事業計画書では融資審査に通らない可能性が高いです。
自己資金で賄える場合でも、甘い計画で資金を使い過ぎてしまえば、開店後の運転資金に困る場合も出てきます。
なるべく、低予算で済むよう小さい規模で始め、備品に中古品を使うなどして無理のない資金計画を立てましょう。
接客スキルやコミュニケーションスキルは絶対
いくら技術が高かったとしても、そのお店のリピーターになるとは限りません。
顧客の中には、相手とのコミュニケーションや信頼感、居心地の良さを求めてお店を選ぶ方も多いからです。
特にエステという肌が触れ合う施術では、より居心地の良さを重視する傾向があります。
技術力があっても、不親切で、相手が望まない接客やマナーをしていては、次にはつながりません。
顧客はお店ではなく、施術者のあなたを見ています。
「この人じゃなきゃダメだ」と、ファンになってもらえるような接客を意識的に心がけていきましょう。
助成金や補助金制度を利用する
開業資金を抑えることは、開店後の資金繰りの余裕につながります。
開店直後から返済に追われていれば、事業に集中して取り組めず、思ったような経営ができません。
開店間もない時期はスムーズに安定した収益が得られるとは限らないためです。
資金に余裕がなければ、国や自治体が独自に設けている助成金や補助金を利用することも検討してみましょう。
どちらも原則返済不要の資金になります。
条件などがあり、必ず利用できるわけではありませんが、どのような助成金、補助金があるのか調べておくと良いでしょう。
今回は、エステサロン開業に必要な情報についてご紹介しました。
エステサロンを始めるには特別な資格は必要ありませんが、開店までに様々な準備が必要となります。
エステサロンの開業は、計画的に準備をすすめることが成功の道へとつながります。
開店後は安心して事業に取り組めるよう、お店のコンセプトや収支計画、集客方法などを明確にしておくと良いでしょう。
開業に向けて、ぜひこの記事を参考にして最適な準備を進めてください。