エステサロンに勤務し、知識や技術を身に付けた女性が個人サロンを開業するといったケースは珍しくありません。
セラピストやエステティシャンを育成する講座も開講されているので、それを受けてから開業しようと考える人もいます。
知識や技術を学ぶことも大切ですが、開業する場合、集客ができなければ結果的に失敗に終わってしまいます。
開業をするなら、失敗したくないと考えるのは当然です。
そこで今回は、エステ開業で多い失敗事例や失敗しないようにするためのポイント、事業に失敗しやすい経営者の特徴について解説していきます。
エステ開業で多い失敗事例
エステ開業で失敗しないためには、多く見られる失敗事例を把握しておくのがおすすめです。
そうすると、同じような失敗をするリスクを軽減できます。
初期費用や固定費が高い
エステティックスサロンを開業しようとした時、初期費用や固定費について考えなければいけません。
新たに開業しようと思っている方の中には、初期費用・固定費を高く見積もっている人も多いです。
例えば、自宅サロンが難しいため、新たにスペースを借りるというケースが当てはまります。
物件を借りると毎月の固定費が高くなってしまうので、オープン当初は赤字になる可能性が高いです。
初期費用や固定費を少しでも抑えるためには、物件を最初から借りるのではなくレンタルスペースを利用するなど、工夫を凝らすようにしましょう。
集客の導線ができていない
集客をする仕組みや導線ができていないことも、失敗につながる原因となります。
エステサロンの場合、ホットペッパービューティーやクーポンサイトを使って集客するケースが多いです。
また、ブログやSNSを活用するという方法もあります。
活用できるものは活用すべきですが、広告料や更新料の支払い、毎日の更新作業などが負担になってしまうことも考えられます。
そうなった時に途中でやめてしまい、集客の導線が絶たれてしまうケースもあるのです。
WEB集客で安定させたいと考えているのであれば、ホームページを作成するのがおすすめ。
検索から見込み客を集められるため、他のツールよりも安定した集客が期待できます。
軌道に乗れば、効率的に検索から集客ができるようになることも、ホームページを作るメリットです。
コンセプトやターゲットがはっきりしていない
コンセプトやターゲットが曖昧なことも、失敗してしまう原因の1つです。
コンセプトは、あなた自身のサロンが持っている強みや特徴と考えます。
ターゲットは、来てほしいと思っているお客様の層(ターゲット)です。
ヘッドスパやリンパマッサージ、リフレクソロジーなど、色々なサービスを提供した方が良いと考える人も中にはいるでしょう。
確かにそのようなスタイルで売り込んでいるサロンもありますが、何が強みかわかりづらくなってしまいます。
また、「眼精疲労がある人や足がむくんでいてだるい人、美容に興味がある人などにおすすめ」などと書いていると、ターゲット層がぼやけてしまい、結局どのターゲット向けなのかわからなくなります。
そうなると、想定していた集客効果を期待できません。
どのような人に来てもらいたいのかを明確化することが、重要なポイントになります。
性別や年齢、価値観、趣味嗜好、抱えている悩みなどをリサーチし、ターゲットを明確にする必要があるでしょう。
コンセプトやターゲットがはっきりしていれば、他のサロンより価格が高くても集客につながるはずです。
エステ開業で失敗しないようにするためのポイント
エステ開業で失敗しないためには、いくつか知っておきたいポイントもあります。
ここでは、自宅サロン開業を考えている人向けのポイントをご紹介します。
生活感を出さないようにする
自宅でエステサロンを開業する場合、生活感を出さないことがポイントです。
エステを受けに来るお客様は、非日常な体験を求めています。
そのため、サロンが生活感たっぷりだとそれだけで期待外れに感じてしまう可能性があります。
施術用スペースと生活スペースはしっかりと分けることが大切です。
わかりやすく場所を伝える
自宅サロンは、住宅街の中にあることも多いです。
行きたいと思っても場所がわかりにくくて不安だと、予約にまで至らないことも、ないとは言い切れません。
場所がわかりにくい場合、予約確認メールを送る時などに詳しい地図を添付するのがおすすめです。
ホームページには○○区や○○市と明記し、「詳しい場所はご予約いただいたお客様にお知らせします。」などと書いておくと良いでしょう。
サロンに関する情報をできるだけ発信する
新しいエステサロンにありがちですが、サロン情報が少なく「行ってみたい」と思ってもらえません。
より多くの人に興味を持ってもらうためには、安心できることはもちろん、施術内容や魅力がしっかりと伝わるかどうかがポイントです。
スタッフの顔写真やサロンの雰囲気を伝えられる写真をホームページやSNS、ブログなどに掲載するのがおすすめです。
得意な施術やお客様へのメッセージを掲載するのも良いでしょう。
事業に失敗しやすい経営者の特徴も知っておこう
エステサロンで失敗してしまうのは、経営者側に原因があるパターンもあります。
最後に、事業に失敗しやすい経営者の特徴とはどのような点が挙げられるのかご紹介します。
スキルアップをしない
エステサロンは、開業して終わりではありません。
どのようなビジネスであっても、スキルアップを目指す必要があるのです。
今ある知識や技術だけで何とかなると思っている人は、いくら魅力的なサロンを開業したとしても長続きしないと考えられます。
新たな技術習得やサロンの経営方法、リピーターの増やし方など、学ぶべきことはたくさんあります。
現状に甘んじることなく、スキルアップを目指すことが成功の秘訣だと覚えておきましょう。
手技にこだわりすぎている
エステサロンオーナーの中には、エステマシンを使わずに手技にこだわった施術を行う人もいます。
手技にこだわるのは決して悪いことではありませんが、施術中は他のお客様を対応できないなどのデメリットもあります。
隠れ家的な個人サロンを目指しているのであればそれでも良いでしょう。
しかし、それでは軌道に乗るまでに時間がかかってしまう可能性が高いです。
効率的な施術を行うためには、エステマシンの力も時には借りるようにしてください。
売上アップを目指すためのも、新しい施術方法を取り入れた方が良いケースもあります。
安易に値段を下げる
リピーターが少ないと、値段を下げて集客したいと考えてしまうものです。
しかし、安易に値段を下げるのは自分のためにならないのでやめましょう。
値下げするとお客様にとっては魅力的に見えますが、経営者の目線で考えると利益が伸びなくなるので失敗のリスクが高まります。
特に小規模のエステサロンは値下げではなく、他の部分でライバルとの差別化をする必要があります。
施術内容などを刷新することをまずは考えてみてください。
値段を下げるのは、ある程度経営が軌道に乗り、売上が安定してからにしましょう。
エステサロンを開業するなら、失敗することなく軌道に乗せたいと考えるのは当たり前です。
しかし、経営に関する知識がないと上手くいかなくなってしまうことが多いです。
エステの関する知識やスキルだけではなく、経営や集客に関する知識もしっかりと身に付けてからにすると良いでしょう。
自分自身の得意なことがはっきりしていれば、ライバルとの差別化もしやすくなります。