エステサロンを開業するといっても、その種類は様々あり、必要になるスキルも設備も異なるため、事前にそれぞれの特徴を知っておくことが重要です。
エステサロン開業を成功させるためには、どの分野を選び、どの営業スタイルで経営するかがカギになってくるからです。
今回は、エステサロンの種類や特徴、求められるスキルと営業形態の種類についてご紹介します。
将来エステサロンの開業を考えている方やどの種類のサロンが自分に向いているのか、どうやって自分の環境や強みが活かせるのか気になっている方はぜひ参考にしてください。
エステサロンの種類と求められるスキルや難易度について
エステ経営を始める前に、まずはどんなサービスがあるのかチェックしておくことが重要です。
また、求められるスキルや難易度も確認し、自分に合ったエステサロンの開業を目指しましょう。
ボディ、痩身エステサロン
ボディ・痩身エステサロンは、顔を含めた全身を対象とした施術を提供するサロンです。
ダイエットや姿勢改善など、体のラインを整えることを目的としています。
ハンドマッサージ、ラッピング、吸引・痩身マシンを使った施術などがあり、定期的に通うことでより効果が実感できるため、長期的なリピーターを獲得しやすいです。
マシンの施術であれば、特にスキルは必要ないため、難易度は低いでしょう。
一方、ハンドのみのサービスを提供する場合は、難易度が高くなります。
フェイシャルエステサロン
フェイシャルエステサロンは、顔から首、鎖骨あたりまでを対象とし、小顔や美顔などのフェイシャルメニューを取り扱うサロンです。
シミやシワ、毛穴、たるみなどの肌トラブルに対応するメニューを用意しています。
フェイシャルエステサロンは、一般的にハンドケアでトリートメントやマッサージを行います。
悩みによっては、光を使う施術や超音波洗浄、パックなどお客様に合わせた施術が用意されています。
顔は敏感な部位のため、求められるスキルは高いです。
ハンドだけでなく、マシンを扱うスキルも求められるでしょう。
また、情報に詳しいお客様も多いため、肌悩みだけでなく、化粧品に関する知識も必要になってきます。
マッサージサロン
マッサージサロンは、体の疲れや筋肉の凝りを取り、血行促進、デトックスなどを目的とした施術を行うサロンです。
一般的に手技による施術がメインですが、サロンによっては、マッサージオイルやカッサなどのアイテムが使われる場合もあります。
美容というよりは、体の疲れ、肩こりや腰痛などをマッサージによって改善することが求められます。
脱毛サロン
脱毛サロンは、ムダ毛処理を行うエステサロンを指します。
脱毛は、主に2種類に分かれており医療機関で行われる「医療脱毛」と光を照射するマシンを使用した「美容脱毛」があります。
エステサロンでの脱毛は資格を必要としない光脱毛になります。
マシンを導入せずに、脱毛メニューを取り入れたい場合は、脱毛専用のワックスを使ったワックス脱毛もおすすめです。
近年、男性や子ども向け専門の脱毛サロンも増えているので、自分に合ったスタイルを選ぶと良いでしょう。
脱毛サロンで求められるスキルは、他のメニューと比べて一番低いです。
基本的なマシンの使い方がわかれば施術に問題はないでしょう。
リラクゼーションサロン
リラクゼーションサロンでは、癒しを求める方や心身のリラックスを目的とした施術を提供しています。
身体の不調や日頃の疲れやストレスを癒すメニューが求められるでしょう。
施術には、アロママッサージやスカルプケア、アーユルヴェーダ、ホットストーンセラピー、ヘッドスパなど様々な種類がありますが、医療行為となるマッサージには国家資格が必要です。
治療行為ではなく、あくまでお客様に精神的な癒しを与えるものとしてサービス表記に注意してください。
リラクゼーションサロンでは、施術のスキルと知識、また体力が必要になります。
難易度は、痩身やフェイシャルと比べて低いです。
ブライダルエステサロン
結婚式を控えた女性を対象にしたエステサロンをブライダルエステサロンと呼びます。
ウェディングドレスを着た花嫁をより美しくするためのメニューを提供するサロンです。
ブライダルエステサロンでは、露出の高い二の腕や顔、背中などの部分痩せに特化したメニューが多いです。
結婚式という期限が決まっているため、即効性と確実な結果が求められます。
痩身だけでなく、脱毛やフェイシャル、ネイルなどトータルでコース提供しているサロンもあります。
難易度はメニューの組み合わせにもよりますが他のエステサロンと比べて一番高いです。
確実な効果を求めて来店するお客様が多く、ジャッジも厳しくなる傾向があるからです。
確かな技術があれば、口コミから新規のお客様+リピーターにもつながりやすいとも言えます。
そのため、ブライダルメニューの他に、日常的に利用できるメニューも用意しておくと良いでしょう。
メンズエステサロン
メンズエステサロンは男性をターゲットにしたサロンです。
近年、美意識の高い男性が増えており、美肌、脱毛、ダイエットを目的としたメンズエステの需要が高まっています。
ニーズがあると言ってもまだまだエステサロンへのハードルは高いため、男性が通いやすいサロン形態を考えていく必要があるでしょう。
難易度は女性を対象としたエステサロンと変わりませんが、接客方法や集客方法は同じとは限らないので、工夫が必要になってくるでしょう。
訪問・出張エステ
訪問・出張エステは、自分の店舗を持たず、自らお客様のもとへ訪問し施術を行うサロンです。
店舗に出向くのが難しい体が不自由な方や育児や妊娠、介護などで長時間外出できない方に対応しています。
自宅訪問が難しい場合、指定の場所へエステティシャンが出向く訪問スタイルも多くなっています。
訪問・出張エステでは、施術に必要な道具を持ち運ぶ必要があるので、自動車免許が必要になるでしょう。
しかし、必要な道具と最低限のスペースさえあればどこでも施術が可能とも言えます。
地域のイベントなどに参加してお店をアピールすることも可能でしょう。
訪問エステで重要なのは、訪問先の環境に適した施術をいかに提供できるかです。
そのため、顧客満足度を上げるためには、機応変に対応できる技術力が求められます。
サロンの営業形態の種類
エステサロンで提供したいサービスが定まったら、どのような場所で開業するかを決めなければなりません。
エステサロンの形態は、主に4つの営業形態が主流になっています。
自宅サロン
店舗を借りる必要がないため、初期費用をかなり抑えて開業することが可能です。
通勤の必要もないため、家事や子育てなど時間を有効活用できるメリットがあります。
しかし、仕事とプライベートとの境目が難しく、線引きが曖昧になりがちです。
生活感が出やすいため、家族の理解や協力が必要になります。
賃貸マンション
自宅での開業が難しい方は、賃貸マンションを利用して開業することもできます。
テナント物件よりも保証金が安く、自宅サロンとは異なり、仕事場として分けて気持ちを切り替えて作業が行えるでしょう。
しかし、賃貸物件によっては、サロンの開業を許可していない場合もあり、マンションという側面から、大きな看板などの設置は難しいかもしれません。
また、路面に面していないため、飛び込みなど新規のお客様は期待できないでしょう。
テナント物件(貸店舗型)
テナント物件とは、ビルやマンションの1階、ショッピングセンターの一室を借りて営業するスタイルを指します。
自分好みの内装にすることもできるので、ターゲットを絞って理想のサロンを作ることができるでしょう。
また、飛び込み客も期待でき、サロンを認知してもらいやすいメリットがあります。
しかし、保証金や内装費など開業資金が他の営業形態と比べて高額になりがちです。
毎月の固定費も高いので、安定した運営には高い収益を上げ続けなければならないでしょう。
美容室、商業施設、スポーツジムなどでの間借り型
テナントを借りるよりも初期費用がかかりません。
場所によっては、開業直後から集客が望めるため、宣伝費を抑えることができるでしょう。
一方、契約する場所によっては、内装工事や営業時間に制限がある場合もあります。
また、来店者がサロンの顧客層とは合わないケースの場合、売上につながりにくい面もあります。
営業形態によってそれぞれメリット・デメリットがあるので、予算や生活環境を考慮して自分に合った場所を見極めて開業に臨みましょう。
今回は、エステサロンを開業するにあたり、エステの施術内容や営業形態の種類についてご紹介しました。
エステサロンの開業を成功させるには、どの種類のサロンで戦っていくのか選ぶことが重要になってきます。
提供するサービスによっては、スキルや知識が必要となるため満足するサービスを提供するまでに時間がかかることもあるでしょう。
また、サロンの形態によって必要な設備も費用も異なってきます。
この記事を参考に、サロン経営をする前に、あらかじめ各種類のサロンの特徴を知り、自分に合ったサロンを見つけてください。