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「新型コロナウイルス感染」〜 風邪かな? と思っても迷わずに受診を〜

コロナウイルス

塩野義製薬が暑さ厳しい夏の受診に関する実態調査を行いました。調査は2025年夏の1ヵ月に風邪の諸症状(発熱、のどの痛み、咳、鼻水、倦怠感など)を感じた 20〜80代の男女1,200人と、新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の診察を行う医師100人を対象に、夏の受診に関して聞いています。

(受診する患者の回答)
風邪の諸症状を感じて、病院やクリニックなど医療機関で受診したかの回答では、「受診した」のは32.7%で7割近く、(67.3%)が受診していない。年代別では20代の受診率が43.5%です。(グラフ1)

グラフ

グラフ1

医療機関を受診した人は「咳が止まらず苦しかったから」(30.6%)、「発熱していたから」(29.3%)、「からだがだるかったから」(23.2%)など、症状のつらさから医療機関を受診しています。
一方の受診しない人は「受診するほどではないと思ったから」(54.3%)、「受診しなくてもそのうち治ると思ったから」(38.0%)、「様子を見ればよいと思ったから」(33.8%)と言った回答が見られます。
20代は、受診理由として「仕事にさしつかえるから(23.0%)より「家族や職場の人にうつしてはいけないと思ったから」(29.9%)が多く、受診しない理由では「面倒だったから」(23.0%)を挙げる人が他の年代より多くなっています。
高齢の70〜80代では「暑かったから」(10.2%)が受診しないという人が 1割程度います。(グラフ2)

グラフ2

不調を感じて医療機関を受診するまでの平均日数は3.2日

医療機関を受診した人に、不調を感じてから何日ぐらいで受診したかと聞くと、「2〜3日後」と答えた人が38.3%と多く、受診までの日数は平均で3.2 日です。(グラフ3)
年代別に見てみますと、40代が2.5日と早く、70〜80代が受診するまで4.3日と最も長くかかっています。(グラフ4)

グラフ

グラフ3

グラフ

グラフ4

2025年の猛暑に新型コロナの再流行が進行

新型コロナウイルス感染症は、日本では2023年5月8日に5類感染症に移行され、有事対応から平時対応へと移行。世界的パンデミックから3年余を経て新型コロナ対応は日常に戻ったとされました。しかし、日本ではこの夏、新型コロナの再流行が進行しています。厚生労働省の発表では、2025年7月第30週(21日〜27 日)の定点医療機関当たりの報告数は4.12件で、第26週(6月23日〜29日)の1.40件から上昇しています。
このような状況の中、直近1ヵ月に風邪の症状を感じた人に、新型コロナは風邪と同じような症状になるのでわかりにくいと思うかと聞くと、77.3%が
「わかりにくいと思う」、(「そう思う」33.7%+「ややそう思う」43.7%)と答えています。(グラフ5)

その際に新型コロナに感染していると疑ったかと全体(n=1200)に聞いていますが、38.7%(「疑った」10.3%+「少し疑った」28.3%)が感染を疑っていると回答。年代別では、20代は49.5%と約半数が疑っていますが、年代が上がるほど疑う割合が低い傾向があり、70〜80代で疑った人は28.5%です。(グラフ6)

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グラフ5

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グラフ6

新型コロナ感染かもしれないと疑った人のうち医療機関を受診した人は 53.4%で、半数近くの46.6%は疑いながらも受診していません。年代別では20代の受診率が72.7%と高いのに対し、40代では40.0%、70〜80代では 43.9%と半数以下です。働き盛りの40代や重症化リスクが高いといわれる高齢者の半数以上が、新型コロナ感染を疑いながらも医療機関を受診していないことがわかりました。(グラフ7)

受診した53.4%の内、陽性だったのが17.1%で、受診した人の約6人に1 人が新型コロナに感染していました。(グラフ8)

グラフ

グラフ7

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グラフ8

今夏以降、再流行が進行中の新型コロナですが、全体の約3割(29.2%)が「新型コロナは、罹患しても重症化はしないと思う」(「そう思う」7.6%+「ややそう思う」21.6%)と答えています。(グラフ9・10)

グラフ

グラフ9

グラフ10

(医師の回答)
このような状況を、医師はどう捉えているのでしょうか?
新型コロナの診察を行う医師100人によりますと、新型コロナ陽性と診断した際の患者からの反応は、医師の90.0%が「ただの風邪だと思っていたという反応があった」(「よくある」52.0%+「たまにある」38.0%)と答えています。(グラフ11)

酷暑の夏、特に気をつけたいことを聞くと、「熱中症」(87.0%)、「夏バ テ・自律神経の乱れ」(72.0%)に次いで、「新型コロナウイルス感染症」(69.0%)が上位に挙げられています。(グラフ12)

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グラフ11

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グラフ12

本調査結果を監修したヒラハタクリニックの平畑光一院長によりますと、「新型コロナ感染症は、初期症状が比較的軽いことも多い一方、ひとたび感染してしまえばあとから重症化する可能性、後遺症が残る可能性も十分にあるため、症状だけで自己判断することは非常に危険と言えます。風邪のような症状があれば、まずは医療機関を受診し、検査を受けることが非常に大切。新型コロナ感染症であれば、早めの治療が重要です。」との事です。

執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子


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