医療脱毛サロンは経営悪化が原因で脱毛そのものが悪いわけではない
ここ最近、美容関連では医療脱毛サロンの倒産や不祥事のニュースが多い傾向が見られます。被害者数もかなり多く被害総額も高額です。こういった報道を目にすると、あたかも脱毛が悪いといったイメージを抱かせてしまう傾向が出てきます。さらに美容機器メーカーや美容業界そのものに悪いイメージを抱いてしまう場合もあります。
しかし問題となっているのは施術する側の経営悪化に伴うもので、脱毛そのものが悪いものではなく、報道される部分は一部の企業であり、多くの企業は健全経営を図っています。
家庭用高級美顔器の開発・製造・販売を手掛け10万円以上の高級美顔器の全世界販売台数で約7割のシェアを誇るA. GLOBAL(本社岐阜県羽島市)は自社の製造工場を持ち、製造・管理・流通・販売に至るまで一貫したシステムを構築した組織力を武器に健全経営を行っています。
インナービューティ(内面美容)を国内だけに留まらず世界へ向けて提唱しているプロラボホールディングス(本社東京都港区)は主力商品の酵素ドリンクとファスティングを融合させたプログラムでサロン展開を行っていますが、商品供給にあたり研修会受講を義務付けています。また同社が取り扱う美容マシンの受注後においても、担当インストラクターによる納品後のサロンスタッフへの講習から日々のサポート・フォローまで行っています。さらに薬機法などの関連法規の勉強会を外部から専門家を招いて社員向けに研修を行うなど、ただ売るだけではなく徹底した教育プログラムを確立させています。
「紅麹」による健康被害がもたらしている現状
小林製薬が販売していた「紅麹」を含むサプリメントの摂取により、腎臓の病気などを発症した問題では亡くなられた方もいるほどの大きな健康被害をもたらしました。厚生労働省と国立医薬品食品衛生研究所が紅麹原料のサンプルを調べるなどして原因の分析を行った結果、青カビから発生することがある「プベルル酸」と呼ばれる化合物が見つかりました。厚生労働省はプベルル酸が腎臓などの病気を引き起こした原因物質だと、ほぼ確定した見解をしめしています。プベルル酸は紅麹の培養段階で、青カビがドラムに混入して作られたと推定されることから、製造工場での管理状況の不備がこの問題の根底にあります。テレビやネットニュースでは「紅麹」というワードが視聴者や読者にインパクトを与えるため、あたかも「紅麹」が悪いという印象を与えているケースが見られます。またこの問題によりサプリメントに対してのイメージダウンにもつながっている様子が取材する中で感じています。「消費者のサプリメント定期購入の中止なども実際に起こっている」(通販会社)ことからも、販売会社や製造メーカーにもボディーブローのように影響が出ているようです。
ただこの問題も製造工場での管理状況の不備が大きな原因であり「紅麹」そのものが悪いわけではなく、サプリメント自体が悪いものではありません。先に取り上げた医療脱毛サロンと同様、一部の企業経営の問題が根底にあります。
ごく一部の企業のずさんな経営が多くの消費者に損害を与え、また健康美容業界に悪いイメージを与えていることは否めませんが、健康美容業界はコロナ禍においても揺るがないほどの強固な底堅さがあります。それは各企業が健全経営を行っていることが最大の要因と言えるでしょう。
健康ジャーナルライター
ホリスティック・ ジャーナル