喜界島ボタンボウフウが機能性表示食品として受理される
奄美群島の喜界島は、世界的にも珍しい隆起サンゴからなる、ミネラル豊富な土壌を持つ島です。そこで育つボタンボウフウは、他産地のボタンボウフウと比較して、クロロゲン酸の含有量が多いことが確認されています。
これまでの研究で、ボタンボウフウ由来クロロゲン酸の食後の血糖値上昇を抑える作用が確認されていました。また、抗肥満作用があるとされていましたが、抗肥満に関するヒトを対象とした研究はありませんでした。
そこで健康食品の製造・販売を手掛けるビーエイチエヌ(本社東京都千代田区)が、健康な男女を対象としたボタンボウフウ粉末食品のプラセボと比較したランダム化二重盲検並行群間比較試験において、内臓脂肪面積に与える影響の研究を行いました。
その結果、ボタンボウフウ粉末の12週間継続摂取が、内臓脂肪面積に与える影響について検証し、ボタンボウフウ由来プテリキシンが内臓脂肪面積、腹囲、ヒップ周囲径を低減する作用があることが明らかになりました。
安全性についても、ボタンボウフウ粉末の継続摂取に起因する有害事象は発生せず、試験食品摂取に関連した臨床検査値の異常変動も見られなかったことから、安全性にも問題がないことを確認しています。

グラフ1

グラフ2
同社は今回得られた結果を元に論文を投稿し、喜界島産ボタンボウフウの新しい機能として内臓脂肪低減機能、腹囲低減機能に関するSRを作成し、本SR を使用して消費者庁へ届出した製品「長命草ナイシスリム」((株)喜界島薬草農園)が機能性表示食品として受理されました。
矢野経済研究所によると、消費者に最も関心の高い、機能性表示食品の機能は『おなかの脂肪、体重の減少』で、全ての性別・年代別で最も関心が高かったとの報告があります。これはコロナ禍における新生活様式の中で、体重の増加を気にする消費者が多い結果と見られ、その中でも基礎代謝が落ち、生活習慣病が気になり始める40~50代の関心が高いと見られています。近年、食生活の欧米化や運動不足など、我が国を取り巻く環境の変化によって肥満者が増加しています。
肥満とは、体脂肪が過剰に蓄積した状態であり、糖尿病や脂質異常症、高血圧症、心血管疾患などの生活習慣病をはじめとする数多くの疾患のもととなることが知られています。健康を維持するためには肥満や内臓脂肪蓄積の予防・対策は重要な位置づけを持つと考えられています。

健康ジャーナルライター
ホリスティック・ ジャーナル