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サントリーウエルネス、クオール薬局と顧客開拓。「通販利用しないユーザー」を取り込む


健康食品通販最大手のサントリーウエルネスはこのほど、調剤薬局のクオール薬局と提携し、クオール薬局の店舗での、サントリーウエルネスのサプリメントの販売を開始しました。サントリーウエルネスとして初めて、店頭で商品を販売します。サントリーウエルネスは、クオール薬局に来訪する、通販を使ったことがないユーザーを、新規顧客として取り込むのが狙いだということです。

クオール薬局は2023年4月13日から、一部の店舗で、サントリーウエルネスのサプリメント6品目の取り扱いを開始しています。クオール薬局を訪れた患者に対して、薬剤師が処方箋情報とは別の、健康課題や食生活などについて、ヒアリングを行い、ヒアリングで得た情報をもとに薬剤師が、サントリーウエルネスのサプリメントの利用を提案するといったものです。

薬局でサプリメントを購入した患者が、サプリメントの定期利用を希望する場合には、薬剤師が、チラシに電話番号やECサイトのURLが書いてあることを伝え、通販での定期購入を提案するというものです。サービス開始から1カ月時点では、膝関節ケアの機能性表示食品「ロコモア」が人気だということです。

サントリーウエルネスによりますと、クオール薬局との提携は、「自分から通販に申し込むのは抵抗がある層にリーチするのが目的」だとしています。これまでサプリメントの利用に積極的でなかった人や、薬との飲み合わせを心配してサプリメントを飲まなかった人に対して、薬剤師が提案することで、サプリメントの利用のハードルを下げる狙いがあります。「コールセンターのオペレーターが電話口で商品を提案するよりも、薬剤師が対面で説明する方が、さらに説得力が高まるのではないかと考えています」と話しています。

クオール薬局を運営するクオールホールディングスでは、薬に頼らないセルフメディケーションの意識を高めるために、サントリーウエルネスと提携。「病気にならないために自分でケアする」という意識を多くの人に持ってもらう狙いがあるといいます。
クオール薬局では、処方箋以外の情報として、患者の過去のアレルギーデータや、コレステロール値・血圧など、さまざまな健康データを取得しており、薬剤師が確認できルため、今後、サプリメントの提案に、こうしたデータを活用していく計画もあるといいます。「薬剤師は、何よりも患者さんの健康や安全のために、エビデンスを重視します。エビデンスをもとに患者さんにサプリメントを提案できるよう、サントリーウエルネスの勉強会を頻繁に実施し、薬剤師が参加しています」。サントリーウエルネスとクオール薬局は、サプリメントの取扱店舗を、2023年中に550店舗にまで拡大させる方針。一方、クオール薬局では、サントリーウエルネス以外のサプリメントを取り扱う可能性もあるとしています。

執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子


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