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紫外線による毛髪への影響度 タカラベルモントが新たなる可視化と数値化方法で実現


タカラベルモント(本社大阪市中央区)は、年々増加傾向にある紫外線(UV)による影響に対して、毛髪ならではの影響や対策方法を検討すべく、蛍光染色を用いた新たな評価方法を確立しました。なお、本技術を用いた研究成果について、第1回 日本化粧品技術者会 学術大会(2023年12月5日〜7日)にて口頭発表を行いました。

既存の染色方法を応用しUVによる毛髪内部への影響度を数値化

同研究では、従来はクセ毛や直毛、しなやかさの研究に用いられてきた染色方法(FS-SR 染色)を、UV による毛髪への影響度の評価に応用し、さらにそれを数値化する独自の評価手法の開発に成功しました。(図1)。

図1:UVによる毛髪への影響度の解析

毛髪を根元から採取し(1)、根元2cmを半分に分け(2)、片側だけを遮光し、それぞれにUV処理を行います(3)。次に、これらのサンプルを切片化し(4)、FS-SR染色を行います(5)。この染色結果より緑の輝度ヒストグラムを作成し(6)、それらを比較することで影響度を算出します(7)。7はUV処理の有無での影響度を比較しています。
まず、毛髪が生えてきたばかりの健康状態から、UV処理によって、FS-SR染色パターンが崩れてしまうことを発見。さらに、画像検索などにも用いられる手法(輝度ヒストグラムを用いた類似度比較)を応用することで、UV によって、健康状態の染色パターンからどの程度変化してしまったのかを数値化する手法を開発しました。これにより、UVによる毛髪への影響度を数値化することが出来るようになりました。

毛髪ならではのUV保護成分のスクリーニング

実際に、この手法を用いて毛髪におけるUV保護効果を示す成分のスクリーニングを行ったところ、一般的なUV吸収剤やUV散乱剤とは異なる成分において、市販の肌用UVケア製品(SPF50+、PA++++)と同等のUV保護効果を示す効果が認められました(図2)。

図2:UVに対する毛髪保護効果の検証

毛髪へ市販の肌用UV製品や、各種成分を塗布してからUVによる毛髪への影響度を比較した結果です。数値が0に近いほど影響度が小さい(保護効果が大きい)結果となります。
この評価手法は、毛髪内の特定のターゲットを評価するのではなく、より複合的な要因による内部環境の変化を可視化・数値化しており、毛髪で用いて初めて評価できる解析手法になります。また、今回の評価で UV保護効果が認められた成分は、肌用製品での活用は難しいですが、毛髪には問題なく用いることかが出来、毛髪の質感を大きく損ねることもないと考えられます。このように、今回の評価手法を用いることで、毛髪ならではのUV保護方法を追求することが可能であり「ヘアメイクを楽しむのと同時に勝手にUV保護もできてしまう」という新たなコンセプトの製品にもつながる期待が持てると言えるでしょう。

執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子


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