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「尿漏れ」は年代を問わない女性の悩み


美容健康機器を取り扱っている創通メディカル(本社福岡県福岡市)は多くの女性が悩んでいる「尿漏れ」に関するアンケート調査を実施し、その結果概要を発表しています。調査は同社の製品購入者やモニターの他、一般の20〜60代女性まで幅広く対象を広げて行われています。

「尿漏れ」は加齢とは関係なく各世代での女性の悩み

最初の質問で「尿漏れ」の経験をし始めた時期を聞いていますが、「30代前半(21.3%)」、「40代前半(18.4%)」、「30代後半(17.9%)」と30代~40代前半が全体の約6割を占める結果となっています。また早い人では「10~20代(16.0%)」から経験しており、「尿漏れ」は女性にとって年代問わず、身近な悩みであることが伺われます。(グラフ1)
さらに尿漏れが起きる頻度は「週に1回以上(38.2%)」、「1日1回以上(30.9%)」と回答しています。また、出産の経験の有無によって尿漏れの頻度が多くなるかを検証した結果、出産経験がある人のうち72.9%、出産経験なしの人のうち51.4%が「週に1回以上」または「1日1回以上」と高頻度の経験がある結果となっており、このことから、出産経験の有無が尿漏れに深くかかわっていると推測できます。(グラフ2)

グラフ1

グラフ2

尿漏れは精神的ダメージも多い

次に尿漏れが起きるシーンを尋ねたところ、1位「せき・くしゃみをしたとき(73.4%)」、2位「トイレを我慢したとき(49.8%)」、3位「走ったり、激しい運動をしたとき(38.6%)」という結果になっています。圧倒的な1位は「せき・くしゃみ」となっていますが、「トイレまわり」のシーンが合わせて82.6%と、高い結果になっています。(グラフ3)

グラフ3

では実際に尿漏れすることでどのような悩みを持っているのでしょうか? 具体的な悩みとしては、1位「下着が濡れることによる不快感(82.6%)」、2位「下着が汚れる(63.3%)」、3位「におい(57.0%)」、次いで「精神的なショック」や「はずかしさ」を感じる人も多く、精神面に与える負担も大きいことが推測できます。(グラフ4)

グラフ4

尿漏れ対策のトップは「パットやショーツなどのアイテムを使用」も半数近くは「何もしていない」

悩みの程度を聞いた質問では、「かなり悩んでいる(35.3%)」と「まあまあ悩んでいる(52.7%)」を合わせると8割強となり、尿漏れ経験ありの人にとっては悩ましい症状であることが伺えます。また、尿漏れは対策次第で改善できるかという問いに対して、「とてもそう思う(22.2%)」と「ややそう思う(56.5%)」で約8割の人が前向きな回答をしています。(グラフ5)

実際に尿漏れ対策をしている人に、その方法を聞いていますが、1位「尿漏れパッドやショーツなどの対策アイテムを使用している(57.0%)」、2位「なにもしていないが、今後はなにかしたい(43.0%)」、3位「骨盤底筋などの筋力運動(18.8%)」と回答がある中で、 2位の「なにもしていないが、今後はなにかしたい(43.0%)」 に、「なにもしておらず、今後もする予定がない」「以前はしていたが今はしていない」を合わせると、現状対策をするとしても、対症療法的にパッドを使うなど、根本的な対策がなされていないことも推測でき、女性にとって尿漏れは「悩んでいるし、改善はしたい症状だが、現状はなにもしていない」という、悩み・改善意欲と現状にギャップがある症状であることが伺えます。(グラフ6)

グラフ5

グラフ6

同調査結果から、「尿漏れは加齢に伴う」というイメージの強さが世の中に定着していることから、「誰にでも起こりうる、セルフケアとして向き合う症状」という認識が薄いことが推測され、その尿漏れに対するイメージが、現在進行形で起きている自分自身の経験との間にギャップが生じている様子が伺えます。このことが実際の対策行動に移せていない要因なのかもしれません。

執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子


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