エステサロンを開業したいと考えた時、個人サロンやレンタルサロン、フランチャイズ契約など自分に合った開業方法を選択しなければなりません。
個人でもエステサロンの開業は行えますが、経営で失敗したくない方にとってフランチャイズ契約は魅力的に映るのではないでしょうか。
今回、エステ開業にあたり、フランチャイズの仕組みやメリット、注意点などを紹介します。
業界未経験での開業を目指す方やフランチャイズ契約に興味のある方はぜひ参考にしてください。
そもそも「フランチャイズ」の仕組みとは?
エステ業界に限らず、コンビニや飲食店などでも「フランチャイズ」という単語が使われているため、耳にする機会は多いのではないでしょうか。
フランチャイズとは、個人や法人が親元となる運営本部(フランチャイズ本部)と加盟店契約を結びビジネスパートナーとして運営することを指します。
加盟店は運営本部から店舗の作り方や成功しているサービス・ノウハウなどをもらい、その対価として、使用料をフランチャイズ本部に支払う仕組みになっています。
エステサロンのフランチャイズも同様の仕組みとなっており、美容業界未経験の方や経営の知識がない方でも、フランチャイズ契約をすることで、エステサロンを開業することが可能なのです。
フランチャイズ契約で開業!開業までの流れと必要な経費について
フランチャイズ契約で失敗しないためには、開業までの流れや必要な経費についても抑えておく必要があるでしょう。
フランチャイズ契約でエステサロンを開業するまでの流れは以下のとおりです。
2.詳細な打ち合わせ
3.問題なければ、合意の上、加盟店契約にすすむ
4.物件を決める
5.内装、外装などの取り決め、施工
6.エステマシン機器や設備を搬入し開店準備
7.スタッフの研修
8.メニュー、集客方法、経営など最終チェックを行う
9.オープン
また、個人サロンとは異なる、フランチャイズ契約で必要になる経費もあります。
・初期費用:物件の取得費用(敷金礼金、仲介手数料)、内外装の工事費、機器購入費など
・人件費、研修費:エステサロンの運営に必要な研修を受けるための費用や野党スタッフの人件費、研修費
・広告宣伝費:ホームページ、チラシ、ポータルサイトなどの制作費や月額料金(運営元が集客のサポートを行う場合もあり)
・ロイヤリティ:運営本部に支払う利用料金、店舗によって支払い方式が異なる(①~③)
①売上歩合方式:売上の大きさによって金額が変動する
売上歩合方式とは、売上に一定の割合をかけた金額を支払う方法です。
一般的に5~10%の料率が多く採用されています。
売上が大きいほど、支払料金が増え、少ない場合は、安くなります。
②粗利分配方式:売上が少ない場合メリットが大きくなる
粗利分配方式とは、販売価格から仕入の原価を引いた粗利益を一定の割合で運営本部と加盟店で分け合う方法です。
売上が少ない場合、支払い料金が安くなります。
コンビニなどで使われている支払い方法です。
③定額方式:金額が決まっているので資金計画が組みやすい
売上に関係なく、支払う使用料が定額と決まっている支払方法です。
毎月支払う料金が決まっているので、資金計画を立てやすいメリットがあります。
しかし、使用料が高めに設定されている場合、安定した売上を確保していないと重い負担となるため、よく検討する必要があるでしょう。
個人で開業するのとは異なり、フランチャイズ契約を結ぶ際には必要になる資金や準備があります。
仕組みや開業までの流れを押えて、スムーズな開業準備を進めていきましょう。
フランチャイズ契約で開業するメリットとは?
失敗するリスクが低いとされるフランチャイズ契約には、どんなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、フランチャイズ契約で開業するメリットについて紹介します。
コストを抑えて開業できる
エステサロンの開業には多額の資金が必要になります。
しかし、フランチャイズ契約をする場合、開業資金がかからない、または開業資金を抑えることが可能です。
運営本部が物件や必要となる機材や設備を用意してくれるケースもあるからです。
また、融資や補助金を利用する場合、個人よりもフランチャイズの方が審査に通りやすいというメリットもあります。
資格なし、未経験でも開業できる
立地の選定から実際の運営に至るまで、成功のためのノウハウが運営本部には用意されています。
仕入れ、販売、集客、商品開発など、ビジネスを行う上で必要な各要素をパッケージ化し、業界未経験でも問題なくビジネスを行える仕組みが構築されているのです。
そのため、加盟する条件さえクリアできれば、資格や経験は必要ありません。
本部からサポートを受けることでスムーズな開業、運営が可能です。
開業後も様々なサポートを受けることができるため、安心して仕事に集中できるでしょう。
ブランド力を活用して集客が可能
個人サロンの開業は、認知度もなく、一から集客を行わなければなりません。
その点、フランチャイズの場合は、既に出来上がっているブランドイメージを利用して集客することができます。
認知度があり、人気ブランドであれば、開業初日からお客様が集まることもあるでしょう。
失敗リスクが低く、運営に集中できる
ブランドのイメージ戦略やサービス向上のためのマニュアルや接客、メニュー作成などは、フランチャイズ本部の仕事です。
個人で開業する場合、仕入れや物件選び、メニュー開発などすべて手さぐりで始めなければなりません。
その点、フランチャイズでは、確立したマニュアルとサポートがあるので、失敗するリスクも低く、店舗運営、スタッフ採用、教育に専念することができるでしょう。
フランチャイズ契約のデメリットと注意したいポイントとは?
フランチャイズ契約する上でメリットの確認は必要ですが、実際に重要になってくるのはデメリットの確認です。
ここでは、フランチャイズで開業する際のデメリットについて紹介しましょう。
ロイヤリティの支払いなどで初期費用回収までに時間がかかる
加盟店として運営する場合、水道光熱費といった毎月の固定費の他に、加盟金やロイヤリティの支払いなども発生します。
契約内容や売上状況によっては、開業までにかかった費用を回収するまでにかなりの時間を要するでしょう。
いつ頃までに資金を回収できるのか、資金計画についてしっかり確認しておくことが重要です。
また、閉店する場合に契約タイミングによっては違約金が発生することもあるので、注意してください。
メニューやサービスに制限があり自由度が低い
契約する運営本部の方針によって、使用する商材や機器、メニューなどが決められているケースが多いです。
自分が使いたいマシンや取り入れたいメニューがあっても意見が反映されにくい傾向があるでしょう。
自分のお店のカラーが出したい!自由にやりたい!と思う方にはフランチャイズは制限が多くストレスに感じられるかもしれません。
ブランドイメージが逆に悪く作用する場合も
自分のお店のトラブルではなくても、そのブランドで起こった不祥事は加盟店全店にマイナスの印象を与える可能性が高いです。
独立した店舗という意識で運営していてもお客様にとっては同じブランドというカテゴリーで同一視されるからです。
他の店舗の悪い口コミがそのまま同じ企業ということで、イメージ悪化につながる場合もあります。
良いブランドイメージは集客へとつながりますが、悪いイメージがついたブランドの場合、集客に悪影響を及ぼす恐れがあるでしょう。
今回、エステサロン開業におけるフランチャイズ契約についてメリットや注意点などを紹介しました。
フランチャイズ契約は、未経験でも安心して開業・運営できる魅力的なシステムです。
売上やサポート体制を重視するのであれば、ブランド力があり認知度の高い運営本部を選ぶことがポイントになってくるでしょう。
近年、フランチャイズ契約では、エステサロンだけではなく、美容意識の高まりからインナービューティーサロンが注目され始めています。
健康寿命の延伸やアンチエイジングはこれから成長する市場のため、競合相手の少ない今、参入のチャンスとも言えるでしょう。
フランチャイズ契約をする際は、メリットだけではなく、加盟店という立場から、ロイヤリティの支払いや店舗運営の自由度の制限などにも注意する必要があります。
この記事を参考に自分に合った満足のいく開業方法選択していきましょう。
健康ジャーナルライター
ホリスティック・ ジャーナル