Beauty column

医師から見た「酵素」の知られざる力

酵素なしでは、1秒たりとも生きていられない

酵素とは一体何なのでしょうか?最近、マスコミでもよく聞かれる「酵素」ですが、端的に言えば、「人間や動物などが生きていくために不可欠な体内のあらゆる化学反応に不可欠な物質」のこと。

微生物や魚、植物も含めすべての生物の体内に酵素は存在します。食べたものを消化・吸収するのも酵素ですし、肌のターンオーバーや老廃物の排泄、また呼吸をしたり、筋肉を動かしたり、まばたきをするのにも酵素は不可欠です。酵素がなければ、人間も動物も一秒たりとも生きていられません。

体内に存在する酵素の数は、現在わかっているだけで20,000種類以上といわれています。またお馴染みの栄養素であるビタミンやミネラルは「補酵素」とも呼ばれ、本来、主体となる「酵素」を働かせるために必要なものなのです。

いまや酵素は最も重要な第9番目の栄養素として注目されています。

食べ物では、生の野菜・果物、生の魚や発酵食品等に含まれており、加熱した食品や加工食品には含まれていません。

人間にとって必要不可欠な酵素ですが、酵素が生命維持に欠かせない栄養素であることを明らかにした「酵素栄養学」のパイオニアであるエドワード・ハウエル博士(アメリカ)によれば、

「体内で酵素は毎日生産されているが、一生に生産できる総量は遺伝子に規定されて決まっており有限である。また1日で生産できる量も決まっている。そして体内の酵素は、40歳を過ぎると急激に減少する」

と言われています。それは、まるで銀行から「酵素預金」を毎日引き出しているようなもので、体内の「酵素預金」がなくなることは、「死」を意味するのです。

また、体温が1度下がると、酵素の働きは50%低下、免疫力は37%低下、基礎代謝は10%以上低下するといわれています。

私たちが病気になったとき高熱を発するのも、体温を上げることで体内の酵素の活性を高め、はやく病気を治癒しようとする体の自然反応だと考えられています。

そんな酵素は、大きく分けて2つに分類されます。

体内にある「体内酵素(=潜在酵素)」と体外から摂り入れられる「体外酵素」があります。

体外酵素の代表は、食物から摂り入れる「食物酵素」で、これは生野菜や生の果物など加熱していない生の食べものや納豆やキムチ、味噌などの発酵食品に含まれています。

発酵食品

そしてもう一つは腸内の細菌が作り出す「腸内細菌酵素」です。

さらに体内酵素は、大きく2つに分けられます。

一つは、消化管内で分泌され、食べ物を腸で吸収できるよう細かく分解してくれる「消化酵素」です。

消化酵素は、炭水化物を分解する「アミラーゼ」、タンパク質を分解する「プロテアーゼ」、脂質を分解する「リパーゼ」など、全部で24種類あります。もし消化酵素がなければ、食物を摂取しても、吸収し、体に使うことができなくなってしまいます。

もう一つは、消化酵素によって分解吸収され、細胞の中に入ってきた栄養素からエネルギーをつくり、細胞の再生や修復、遺伝子の修復、解毒などに関わる「代謝酵素」です。

免疫機能やホルモンバランス調整も全て代謝酵素の役割です。まさに生命活動そのものを担っているのです。

現代の人間は動物性タンパク質や白砂糖、悪い油、食品添加物の多く使われた食べ物などの摂り過ぎが多く見られます。また生活習慣の乱れによる夜食や睡眠不足なども日常的に起こっています。

これらは体内の消化酵素を浪費させ、これにより相対的に代謝酵素が減ってしまい、細胞修復やエネルギー代謝能力も低下し、病気や老化、そして肥満の原因になってしまっているのです。

従って、消化酵素の浪費を防ぐことが、代謝酵素の割合を増やし、結果的に普段の生活をしているだけでも痩せやすい健康的な体を作ることが出来るのです。

「酵素」を摂ることで健康になる

さらには、酵素栄養学を意識した生活、ひいては食習慣の改善は、痩せやすいというメリットだけではなく、健康とも密接な関係があります。げんに私のクリニックでは実際の治療に酵素栄養学に基づいた食事療法を取り入れています。

クリニックには慢性の腎臓病・腎障害の患者さんもいらっしゃるのですが、病気の進行を遅らせるために多数の西洋薬を摂らされている方も多いです。酵素栄養学では、最も腎臓に対して負担となる動物性タンパク質を減らし、消化酵素を温存し、代謝酵素の活性化をはかる過程で腎臓にも良い効果が現れます。実際に腎機能障害の患者さんが何年も悪化せず通院されています。

「酵素ファスティング」は究極の美容法

このように食習慣の改善の重要性は前述でご理解いただけたかと思いますが、もう一つ、みなさまに究極の美容・健康法をお教えいたしましょう。それはこの酵素栄養学理論に基づいた「酵素ファスティング」です。

ファスティングとは、いわゆる「断食」のことです。一定期間食事を摂らないことで消化活動を休ませ、身体を一旦リセットして代謝効率を高めるダイエット美容法です。

しかしファスティングがいい理由はカロリー制限によって痩せるという事ではありません。ファスティングがいい理由は、腸の汚れや宿便をとるからです。現代人は腸が非常に汚れています。

腸の汚れは、血液を経て細胞の汚れに直結するため、いまや全身100兆個とも言われる細胞には、毒素が相当に溜め込まれてしまっています。毒素とは、主にコレステロールや垢(プラーク)、中性脂肪、カビ(真菌)、病原菌、そして白血球の死骸、ペプチド(短いタンパク質)、重金属、有害化学物質などです。

これらは細胞の一つひとつに宿便が溜まってしまっているようなもので、細胞膜も汚れきっている状態といえます。このようになってしまった細胞は「細胞便秘」と呼ばれ、この細胞便秘状態になると肥満や万病の元になります。

ファスティングは、この汚れた細胞を健康な細胞に戻すとてもすぐれた方法です。それは細胞の「入れ替え、再生、解毒、排泄」がスムーズに行われるからです。

そのためロシア、ドイツ、アメリカなどのファスティング先進国では多くの医療機関において「絶食療法」が実績を上げており、フランスもファスティングは「メスのいらない手術」と言われ積極的に医療にとり入れられています。

今回、ご紹介した酵素の力を通じて、病気を寄せ付けない頑丈な身体をつくり、皆様の美容と健康にお役立てください。

内藤眞禮生

一般社団法人 日本酵素・水素医療美容学会理事長
内藤 眞禮生(ないとう まれお)

プロフィール

一般社団法人 日本酵素・水素医療美容学会 理事長
ブルークリニック青山 院長

医師・医学博士。1961年3月30日東京生まれ。1985年3月慶應義塾大学医学部卒業。メルボルン大学医学部研究主任、総合病院内部長を経て、1999年より、長女のアトピー治療に端を発し漢方医学を研究、2005年には日本東洋医学会認定漢方専門医も取得。2010年10月には、総合医療、酵素栄養学などの長年の研究の成果を活かした「ブルークリニック青山 内藤統合医療センター」を都内南青山に開設。

日本内科学会認定内科専門医、日本腎臓学会認定腎臓専門医。

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