日本人の2人に1人ががんにかかる時代
今やがんは“特別な病気”ではありません。厚生労働省や国立がん研究センターの統計によると、日本人の2人に1人が生涯のうちにがんに罹患すると言われています。これは男女ともに当てはまる数字で、まさに「国民病」とも呼ばれるほど。
がんは死因の第1位
さらに、“2023年の死亡原因の第1位は「がん」〟です。心疾患や老衰、脳血管疾患などを抑えて、依然としてがんは日本人の命を最も奪っている病気。医療が進化する一方で、がんの発症者数は減るどころか増加傾向にあります。
予防に勝る治療はない
「がん」が特別な病気ではないのなら「がんをよく知り、うまく付き合う」のが良策というべきです。
私達人間は約60兆の細胞で構成されていることは既に周知された事実です。先祖(父母)から頂いた遺伝子を持った受精卵細胞一個が、細胞分裂を繰り返し、ようやく達成できた兄弟細胞が共生する個体(子孫)です。 しかも、個々の細胞レベルでは個体が死ぬ(個体死)まで細胞は新陳代謝し、『細胞分裂』でRenewalを繰り返しているのです。
細胞の分裂・増殖・分化・共生・老化・死こそ【生命体の基本】。
すなわち、私たちの「いのち」は、支える身体の構成要素である『細胞』の分裂・増殖・分化・共生そして老化・死により、その恒常性・存続性が維持されているのです。
言い方を変えれば、細胞の分裂・増殖・分化・共生・老化・死こそ生物に欠かせない【生命維持の基本メカニズム】なのです。
であるなら「がん」とは“多細胞生物個体全体(社会)の恒常性(秩序)を破り、自律性を持って無制限に増殖を重ねる細胞集団である”と定義されます。言わば“正常細胞社会の無法者”です。
即ち、がんの原因は“細胞分裂傷害”という、私たち生物の原点に根ざす基本的問題であり、私たちそのもの“私達のコピー(子孫)の悪しき独善的生き様”そのものなのです。
生きている限り、私たちの身体では何時でも何処でも健康な細胞に混じって無法者の【癌細胞】がおよそ毎日5000個ほどは誕生しているのです。
この個々の無法者が社会の秩序を破り、際限なく蔓延・集団化し社会を危機に落とし込む“組織暴力団化”しないように人間社会は、教育や警察を始めとする様々な自衛手段を準備工夫しています。
私たちの生体も同じこと「悪性細胞」の集団化を抑える様々な「自衛監視機構」を永い年月かけて進化発展させてきています。これが【自然免疫機構】です。
この生体に本来備わった『疾病防御機構』を最大限に活かし切ることが、【がん】対策の〈最良の方策〉であり、《最先端の医療》なのです。
増加しているがんの種類
特に近年、増加傾向にあるがんは以下の通りです。
■乳がん:女性の晩婚・出産年齢の上昇、ストレス、ホルモン環境の変化
■膵臓がん:高齢化、糖尿病、喫煙、飲酒との関連が注目
■前立腺がん:高齢男性の罹患率が上昇中。PSA検査の普及も関係
これらはいずれも生活習慣の影響を大きく受けやすいがん種であり、予防の観点からも注目されています。 また、がんは高齢者の病気と思われがちですが、近年では20代〜40代の若年層のがん罹患も増加傾向にあります。特に注意したいのが乳がんと子宮頸がんで、 若い世代は「自分は大丈夫」と思いがちですが、早期発見・予防の意識を持つことがとても重要です。
なぜがんが増えているのか?
増えている背景には以下のような現代特有のライフスタイルの変化があります。
●運動不足、デスクワーク中心の生活
●睡眠不足や慢性的なストレス
●喫煙や飲酒習慣
●添加物や環境ホルモンなど、目に見えない化学物質の影響
これらは「遺伝」ではなく生活習慣が大きく影響するがんのリスクを高めます。
がんのリスクをゼロにすることはできませんが、自分の生活を見直すことで予防できるがんは多いと言われています。「食・運動・睡眠・メンタル・環境」を意識することが、がん予防のカギになります。
「食・運動・睡眠・メンタル・環境」を意識することが、がん予防のカギになります。
がんのリスクを下げるには「食・運動・良質の睡眠」

がんのリスクを下げる食材

健康ジャーナルライター
ホリスティック・ ジャーナル