プロモーション事業のCreative Group(本社東京都千代田区)が、16〜59歳の女性800人を対象にスキンケアに関する情報収集の実態を調べた調査では、「コスメ・スキンケアを知るきっかけとなる情報源」は、「一般人の投稿」が40.7%、「インフルエンサーの投稿」が39.2%と、ほぼ同水準で拮抗する形となった一方で、参考にする口コミについては、「一般人の口コミ」は31%に対し、「インフルエンサーの口コミ」は、わずか5.2%にとどまる結果となっています。つまり、商品認知の段階においては、インフルエンサーの影響力は今なお機能するものの、商品レビューなど、よりリアルな情報を得る段階では影響力がさほどないということなのかもしれません。(図1)

図1
美容情報サイトを運営するザ・プレミエールファクトリー(本社東京都中央区)ではZ世代(1990年中盤〜2010年代に生まれた世代)に向けた調査でも同様の見解を示しています。SNSネイティブであるZ世代にとって、美容商品の認知・発見においてSNSが今なお強い影響を持つことは確かですが、一方で昨今は、購買判断の軸=消費基準は現実的な要素へ移行しています。
同社が20代女性1,000人に実施した調査で、美容商品の消費で重視する点で上位に挙がったのは、1位「コスパ・価格」、2位「口コミ・レビュー」、 3位「効果の実感」で、話題性やインフルエンサーの影響は少数にとどまることがわかりました。
同社は「SNSで知ったあとに、価格・他者評価・自分に合うかどうかで冷静に判断していることを示している」とみているようです。SNSは入口として重要な機能を果たしているものの、購入を決める最後の一押しは、合理的な納得感にあるようです。同社は「SNSはあくまで『認知の装置』であり、『意思決定の装置』ではない」と考察しています。(図2)

図2
では、なぜZ世代は話題性だけで商品を選ばなくなったのでしょうか。背景の一つとして考えられるのが、SNS広告に対する拒否感です。Z世代マーケティング事業の、僕と私と(本社東京都渋谷区)が実施した、Z世代3,000人を対象にしたSNS広告に関する調査では、広告っぽさがあると「購買意欲が少し下がる(31.4%)」と「完全になくなる(12.0%)」は合わせて43.3%と約半数に上っています。(図3)

図3
意欲が低下する理由のトップ2は「宣伝が押し付けがましく感じた(48.9%)」「広告である時点で投稿が信頼できないと思った(47.9%)」で、いずれも約5割に上っています。とりわけ「広告っぽい」と感じるのは「インフルエンサーが不自然に商品を紹介しているもの(41.6%)」で、インフルエンサーによる広告に対して、従来ほど無条件に受け入れられるわけではない実態がうかがえます。「企業の広告にうまく乗せられたくない」といった心理も働き、バズっていることだけでは消費の決め手になりづらいのかもしれないですね。

健康ジャーナルライター
ホリスティック・ ジャーナル
