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睡眠改善への投資額は年々増加傾向


美と健康の総合メーカー・フジ医療器(本社大阪府大阪市)は、20歳以上の全国3,484名を対象に「睡眠に関する調査」を実施し、その結果を公表しました。同調査は、睡眠と健康をテーマに、睡眠に与える影響やその原因、より良い眠りのための工夫など睡眠に関する実態を把握するために同社が2011年より実施しており、今回の調査で10回目。

94%の人が睡眠に不満があると回答

「睡眠に関して不満に感じることはありますか?」の質問で、94.0%が「不満がある」と回答。「不満がある」と回答した人の数はこれまでの調査で毎回90%を超えており、睡眠への悩みの解消は永遠のテーマの様相です。(グラフ1・2)

グラフ1

グラフ2

不満内容の1位が「何度か目が覚める」・2位が「寝ても疲れが取れない」

「睡眠に関して最も不満に感じることは何ですか?」の質問で回答の多かった順に、「何度か目が覚める」(17.1%)、「寝ても疲れが取れない」(14.4%)、「トイレが近い」(14.1%)、「眠りが浅い」(10.0%)、「なかなか寝付けない」(8.9%)という結果に。(グラフ3)
性別・年代別に見ると、「寝ても疲れが取れない」は女性や若い人に多い傾向があるようで、反対に男性に多かったのは「トイレが近い」という回答で、年齢が上がるにつれ割合も高くなっています。(表1)

グラフ3

表1

睡眠に不満がある原因の半数が「ストレス」

「睡眠に不満がある原因は何だと思いますか?(複数選択可)」の質問では、「ストレス」(49.5%)、「加齢」 (47.8%)、「手足の冷え」(19.0%)、「人間関係の疲れ」(15.7%)、「体調不良」(15.5%)と続いた。第1回目の調査から毎回の調査で「ストレス」が最も多い回答となっており、ストレス社会の現代と睡眠不満との因果関係が浮き彫りになっています。(グラフ4)
年代別でみると、「ストレス」や「人間関係の疲れ」と回答した人は20代〜50代の働く世代に多く、年を重ねるにつれ「加齢」と答える人が多くなる傾向にある。性別ごとにみると、「ストレス」や「手足の冷え」を感じる割合は女性の方が高くなっている傾向がわかります。(表2)

グラフ4

表2

約6割が実際の睡眠時間は6時間以下

回答者全員に平日の睡眠時間を聞いたところ、最も回答数が多かったのは「6時間」(36.5%%、さらに5時間以下と回答した人は22.6%でした。平日は約6割もの人が6時間以下しか睡眠時間を確保できていないことがわかりました。
休日の睡眠時間は「7時間」と回答する人が多く、平日に比べると長い時間、睡眠を取れているようですが、一方で、理想の睡眠時間は半数以上が「8時間」(51.6%)と回答しており、平日・休日を問わず睡眠時間を確保しづらい人が多いことがうかがえる結果となっています。(グラフ5)

グラフ5

快眠を取るために工夫していることの1位が「入浴」

回答者全員に「快眠をとるために工夫していることはありますか?(複数選択可)」と質問したところ、工夫しているという回答は85%でした。具体的には多かった順に「入浴をする」(40.6%)、「マッサージをする」 (23.7%)、「ストレッチをする」(23.1%)、「運動をする」(22.8%)、「あたたかい飲み物を飲む」(17.5%)と続いています。(グラフ6)

グラフ6

快眠グッズの購入検討者が増加傾向で人気は「枕」

「睡眠改善のために何か購入をした事はありますか?(複数選択可)」と尋ねたところ、「枕」(50.1%)、 「マットレス」(33.0%)が多い結果となりました。
また、「これから購入したい商品(複数選択可)」について聞いたところ、「購入を検討していない」と答えた人の割合が35.9%でした。昨年に比べおよそ12ポイントもダウンした結果から、快眠のために何かしらの購入を考えている人が増えている様子がみられます。具体的な回答としては「枕」(28.5%)、「マットレス」(20.5%)と、寝具の改善に関する項目が多い結果となりました。 (グラフ7)

グラフ7

睡眠改善への投資予算は増加傾向

「睡眠改善のために使っても良いと思う予算」を聞いたところ、回答の多かった順に「5千円〜1万円未満」(31.1%)、「1万円〜5万円未満」(29.6%)、「1千円〜5千円未満」(22.6%)という結果に。2020年の調査以降で1万円未満の割合が減少する一方、5万円以上と回答する人の割合が増加しており、快適な睡眠に対する投資を重要視する人が増えていると推察できる結果となっています。(グラフ8)

グラフ8

今回の調査では、理想の睡眠時間を確保できていない人が多く、ストレスなどを理由に睡眠に不満を感じている人が、調査を開始して以来10回連続で9 割超という高い水準で推移していることが示唆されました。長年、不満を抱える状況が大きく変わらない中で、睡眠改善のために使っても良いと思う予算の増加や、快眠グッズを購入することへの積極的な検討など、睡眠への不満を解消することへの意識の高まりを強く感じることが浮き彫りになりました。

執筆
代田 多喜子

健康ジャーナルライター

ホリスティック・ ジャーナル

編集長 代田 多喜子


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