日本では高齢化や慢性疾患の増加、働き方の変化に加え、新型コロナウイルス感染症の流行など、健康状態に影響を与える要因が複雑化しています。一方で、健康状態を示す指標である健康関連QOLについて、全国規模で継続的に調べた研究は限られており、地域ごとの変化まで詳しく明らかにした研究はほとんどありませんでしたが、広島大学の平子哲夫氏らの研究グループが、2017年度、2020年度、2024年度に実施された全国ランダムサンプリング調査のデータを解析。20〜85歳の成人の男女2万3千人越えを対象に、国際的な健康関連QOL指標を用いて時系列変化を調べました。
その結果、全国平均の健康関連QOLは2017年〜2024年へと7年間で一貫して低下。特に女性では30〜59歳、男性では40〜69歳の就労世代で低下が確認されました。また、QOL低下には「痛み・不快感」や「不安・ふさぎ込み」が大きく関与していることも示されています。また、都道府県別の推定でも、ほぼ全国的に同様の傾向がみられました。

表1

表2
出典:広島大学(表1が全国平均健康関連QOL<HRQoL>値の推移 緩やかだが7年間で一貫して低下。表2が就労世代でのHRQoL値の低下が顕著。女性は30〜59歳で、男性は40〜69歳で有意な低下)
成果を踏まえ研究グループは、「日本の就労世代における健康関連QOLは緩やかではあるが確実に低下している」と指摘。今後については、「全国の健康関連QOLを継続的にモニタリングするとともに、その低下要因を詳しく分析する必要がある」としています。

健康ジャーナルライター
ホリスティック・ ジャーナル
