女性を取り巻く課題の解決や、女性が活躍するために必要なモノやサービスの開発は、社会全体にとっても意義のあるものとして、大きな注目が集まっています。例えば、家事や育児と仕事の両立を助ける便利なモノ・サービス、月経や妊娠、産後ケア、更年期、婦人科系疾患など、女性特有の健康課題を解決するモノ・サービス、そして性差に着目した技術革新(ジェンダード・イノベーション)などです。ジェンダード・イノベーションとは、性差を分析し、科学や技術、政策に取り込むことで、新しい視点やイノベーションを生み出す考え方です。ジェンダー平等が進み、これまで男性の職域や男性が嗜むものとされていた分野に女性も進出するようになった今、女性にとっても使いやすく、参加しやすい仕組みやデザインに再設計していくことが求められています。
女性マーケットの可能性は広がっていますが、忘れてはならないのは、選択肢が増えたことによるライフスタイルや価値観、消費行動の多様化です。つまり、女性をひとくくりにして論じることができなくなったということです。どんなライフステージにいる、どんな価値観の人に、どんな商品を、どのように届けるのかを明確にしたマーケティング戦略が、より必要になったのです。そのためには、消費者の過去の行動や、顕在化しているニーズを調べ、数値化したデータだけではわからない女性の心理、行動をより深く探る必要があります。女性という身体的特徴を持ち、過去から現在、未来へと続く社会環境の中で女性として生きる女性マーケターは、自身の感性や感覚、体験などを通じて、より細やかに、深く女性の価値観やニーズに迫ることができるでしょう。
女性マーケティングには女性マーケターの存在が不可欠であると言っても過言ではありません。実際に、女性マーケターが開発したヒット商品の中には、「自分が日頃から不便に感じていて、自分が欲しいと思う商品を開発しました」、「私の友人が困っているのを見て、何とか解決したいと思いました」と、自分事や身近な人たちの困り事に耳を傾け、その問題を解決したいという思いからスタートしたモノやサービスが多くあります。もちろん、思いだけではいけませんが、日々の暮らしや感じたことの中から気づきを得られることは、マーケターにとって大きな強みです。


健康ジャーナルライター
ホリスティック・ ジャーナル
