長引く物価高騰や人件費の上昇により、中小事業者の経営環境は厳しさを増しています。生活者に身近な美容業においても、2025年の倒産件数が過去20年で最多を記録するなど、その影響は深刻です。材料費や集客コストの高騰が利益を圧迫する一方で、競合過多で価格競争が激しい美容業界において価格転嫁は容易ではなく、この収益構造は美容室経営の喫緊の課題となっています。美容室経営者が抱える倒産不安や値上げの実態、そして利益確保に向けた課題を客観的に把握することが求められています。こういった背景を見据え、LiIBeが、美容室経営層を対象に、収益悪化の背景や今後の課題を明らかにするため、「美容室の倒産リスクに関する実態調査」を実施しましたので紹介します。調査はインターネットでの回答方法で、美容室経営層の20〜60歳代の男女330名から回答を得ています。
最初の質問で、「貴店について、どの程度倒産リスクを感じているか」を尋ねた回答では、1位が「あまり感じていない」で39.1%、2位が「やや感じている」で31.8%、3位が「全く感じていない」で17.0%、4位が「とても感じている」で12.1%という結果になりました。「あまり感じていない」という回答が最多である一方、2位と4位の各回答の比率を合計すると43.9%となり、この結果から、美容室経営層の4割以上が、程度の差こそあれ、自店の倒産リスクを感じていることが判明しました。(グラフ1)

グラフ1
次に、「現在の美容室経営において、利益を圧迫している要因は何か」を尋ねた回答では、1位が「来店客数やリピート率の低下」で61.2%、2位が「材料費の高騰」で35.2%、3位が「家賃・設備維持費の負担」で26.1%という結果になりました。この結果から、現在の美容室経営において利益を圧迫している主な要因は「来店客数やリピート率の低下」や「材料費の高騰」であることが明らかになりました。(グラフ2)

グラフ2
続いて、「過去1年間に施術メニューの値上げを行ったか」を尋ねる設問への回答では、「いいえ」が66.4%、「はい」が33.6%という結果になりました。この結果から、美容室経営層の65%以上が、過去1年間で施術メニューの値上げを行っていないと回答したことがわかりました。(グラフ3)

グラフ3
そこで過去1年間で施術メニューの値上げを行っていないと回答した美容室経営層を対象に「過去1年間に施術メニューの値上げを見送った最大の理由は何か」を尋ねたところ、1位が「客離れが懸念されるため」で42.9%、2位が「顧客の生活負担に配慮したため」で33.8%、3位が「値上げに見合う付加価値を提供できないため」で7.8%という結果になりました。この結果から、過去1年間で施術メニューの値上げを行っていない美容室経営層において、その最大の理由は「客離れへの懸念」であることが判明しました。(グラフ4)

グラフ4
一方、過去1年間で施術メニューの値上げを行ったと回答した美容室経営層を対象に、「過去1年間に施術メニューの値上げを実施した後の客数は、どのように変化したか」を尋ねた回答では、1位が「変化はない」で64.9%、2位が「やや減少した」で23.4%、3位が同率で「大幅に減少した」と「やや増加した」で5.4%という結果になりました。「変化はない」という回答が最多である一方、2位の「やや減少した」と3位の「大幅に減少した」の各回答の比率を合計すると28.8%となり、この結果から、過去1年間で施術メニューの値上げを行ったと回答した美容室経営層の約3割が、値上げ実施後の客数が、程度の差こそあれ、「減少した」と回答したことが明らかになりました。(グラフ5)

グラフ5
最後の質問で、「今後の利益率改善のために最も強化すべき業務は何か」を尋ねていますが、その1位が「顧客定着化業務(リピート率向上施策など)」で35.5%、2位が「集客・販促業務(予約管理、SNS運用など)」で22.7%、3位が「メニュー開発業務(新サービスや付加価値の企画など)」で16.7%という結果になりました。この結果から、美容室経営層が挙げる、自店の今後の利益率改善のために最も強化すべき業務は「顧客定着化業務」であることがわかりました。(グラフ6)

グラフ6
同社が行った調査結果により、美容室経営層の4割以上が、自店の倒産リスクを感じていることがわかりました。また、現在の美容室経営において利益を圧迫している主な要因は「来店客数やリピート率の低下」や「材料費の高騰」であることが明らかになりました。加えて、美容室経営層の65%以上が、過去1年間で施術メニューの値上げを行っておらず、その最大の理由は「客離れへの懸念」であることが判明しました。なお、過去1年間で施術メニューの値上げを行ったと回答した美容室経営層の約3割が、値上げ実施後の客数が「減少した」と回答したこともわかりました。また、美容室経営層が挙げる、自店の今後の利益率改善のために最も強化すべき業務は「顧客定着化業務」であることが明らかになりました。

健康ジャーナルライター
ホリスティック・ ジャーナル
