矢野経済研究所が国内食品通販市場の調査結果を明らかにしました。
新型コロナウイルス禍を契機に拡大した食品通販の利用は、行動制限の緩和により特需が一巡したものの、一部が日常的な購買行動として定着しています。物価上昇や生活防衛意識の高まりを背景に消費者の購買姿勢は慎重になっていますが、保存性を備えた商品やコストパフォーマンスが高い商品(価格に見合う価値があると認識される商品)、簡便性の高い冷凍食品などへの需要が底堅く推移しました。また、米不足や価格高騰を背景に、インターネットで米の在庫を検索・購入する動きが広がり、米の通販市場が拡大したことも市場全体を押し上げています。(グラフ1)

グラフ1
業態別では、複数商品を横断的に比較購入できる利便性や、ポイント・クーポン施策が消費者の節約志向に合致していることから、ショッピングモールが市場拡大を牽引しています。しかし一方、生協や自然派食品通販・宅配では利用者数の伸び悩みや割高感が重しとなり、ネットスーパーは成長一巡等による事業採算性の見直しを背景に転換期を迎えている様子が見られます。(グラフ2)

グラフ2
今後の食品通販市場では、単なる利用者拡大よりも、既存利用者の購買頻度や購入単価をいかに高めるかが重要になると思われます。日常食品では、重さ・保存性・簡便性を備えた商品のまとめ買い需要が引き続き下支えとなる一方、高単価のお取り寄せ品は節約志向の影響を受けやすく、回復には時間を要するとみられます。
業態別に見てみますと、価格比較やポイント還元に強いショッピングモールへの需要集約が進む可能性があるようです。
今後は、食品購入チャネルとして通販の利用が定着するなか、日常利用の頻度向上に加え、こだわり商品や地域性のある商品のお取り寄せ需要やギフトなどの非日常需要を喚起できるかが、市場成長の鍵になるのではないでしょうか。

健康ジャーナルライター
ホリスティック・ ジャーナル
